EMCの子会社であるVMwareは、同社が提供する「AirWatch」と「Workspace ONE」の顧客向けに、メール、カレンダー、連絡先管理の機能を持つ新しいモバイルアプリをリリースした。
このアプリ「VMware Boxer」は、エンタープライズレベルのセキュリティ機能を、一般消費者向けアプリ水準のユーザー体験で提供するという。このアプリで使われている技術の大半は、VMwareが2015年10月に買収を発表した米テキサス州オースティンの新興企業、Boxerが持っていたのものだ。
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VMwareがBoxerを買収した目的は、AirWatchと統合させ、電子メールやコンテンツ、アプリなどに対する安全なアクセスを提供する、エンタープライズモバイル管理サービスを強化することだった。
VMwareがBoxerに引きつけられたのは、同社がコンテナを用いてアプリの管理とセキュリティを提供する、「iOS」および「Android」デバイス向けの個人情報管理(PIM)製品を持っていたためだ。一方でBoxerは、VMwareの最高技術責任者(CTO)が「緻密で超高速」と形容するユーザー体験を提供していたことでも知られていた。
VMware Boxerは、そのセキュリティとインターフェースを1つのエンタープライズ向けアプリに詰め込んだものだ。Boxerの創設者であり、現在はVMwareのバイスプレジデントを務めるAndrew Eye氏は、このアプリは「現在出回っている中で、最もカスタマイズ性が高い電子メールアプリだ」と述べている。
ユーザー側の視点で見ると、Boxerはカレンダーが統合され、多くのカスタマイズ可能な設定項目や、オプション機能を備えたアプリだ。またこのアプリは、機械学習を取り入れ、過去のユーザーの行動に基づいてフォルダの作成を提案する予測的フォルダ機能を持っている。
IT部門の視点で見ると、Boxerを利用することで、コンテナ技術、コンプライアンス準拠機能、データ漏えい防止機能などを利用して、セキュリティポリシーの設定や管理を細かく行うことができる。Boxerは共有・専用クラウド、オンプレミス、ハイブリッドのどの環境でも利用でき、「Microsoft Office 365」にも対応する。
このアプリのiOS版は、米国時間4月5日から、AirWatchとWorkspace ONEの顧客向けに提供が開始された。Android版については言及されていないが、Eye氏は同氏のチームが「今後数カ月間はBoxerのセキュリティおよびプラットフォームの構築作業を継続する」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。