Windows 10登場で混乱する情シス
そして、2015年7月にWindows 10が登場し、Windows 8でいったんなくなったスタートメニューが復活した。これに喜んだWindowsユーザーは多い。しかし、IT企業なら別だが、一般企業の情シス担当者には、Windows XPを扱ってきた人が多いのが実情だ。そのため、Windows 10で新たに入った機能や、スタートメニューのユーザーインターフェースにも慣れなくて困っているケースが見られる。

Windows 10の設定メニュー
しかしながらWindows 10では、スタートメニューにある「設定」からWindows Updateメニューに行けるようになるなど、多少慣れは必要とはいえ使い勝手が向上していると言えるだろう(Windows 8.1までは検索からたどりついていた)。
Windows 10のメリットとOSX 10.11のメリット
Windows 8以降、次期版の設計にかなりの試行錯誤をしていたと見られるMicrosoftが満を持して出してきたWindows 10。そこでは、新しいブラウザ「Edge」のほか、声認識アシスタントの「Cortana」、生体認証「Windows Hello」など新機能が続々と登場している。Microsoftはこの力作で、不振だったWindows 8/8.1からの巻き返しを図るだけでなく、以前に比べて急拡大しているMac OSと法人において圧倒的シェアを持つモバイルOSのiOSに対抗し、次世代Windowsのユーザーを一挙に拡大することを狙っていると考えられる。その目的のためか、リリースから1年間に限り、Windows 7と8からWindows 10へは無料でアップグレードできるようになっている。
一方、Macの最新OSであるOSX 10.11(El Capitan)は、前OSであるYosemiteから進化し、iOS 9のiPad ProやiPad Air 2などにも採用された2画面同時で操作可能なSplit Viewに対応している。上部左上のフルスクリーンモードボタンを長押しすることで起動する機能だ。これにより、一層iOSとの垣根が低くなったとも言えるだろう。
また、「開発メニュー」を環境からオンにしているユーザーだけが利用できる機能として、Safariのレスポンシブデザインモードが搭載された。ウェブサイトを制作している人たちにとって、MacのSafariでiPhoneからiPad、Macまで全ての表示状態を確認できるのは非常に強力なツールとなり得る。つまり、今までは一般消費者向けPCとして位置づけられていたMacが、本格的にビジネスユースに深く入り込んできたと言える。
Windows 10、Mac OS X 10.11、いずれも旧OSに比べて格段に速くなっており、どちらがよりビジネスに向いているか、という判断よりも、自分たちの業務にどちらが向いているか、ということをきちんと検討することのほうが重要だ。