「MongoDB」や「Cassandra」はリレーショナルデータベースマネジメントシステム(RDBMS)から顧客を奪い続けているが、大企業はまだRDBMSを使い続けており、今後もその状況は当面変わらない。
これまで、ビッグデータによってデータについての考え方や管理の仕方が変われば、NoSQLはデータベース市場を支配するようになると言われてきた。しかし、ビッグデータ革命が起こって数年が経過したが、その期待はまだ実現していない。
確かに、NoSQLは460億ドル規模のデータベース市場に大きな影響を与えている。今はまだ市場の3%を占めているにすぎないが、依然として5.4%のゆっくりとした拡大を続ける従来のリレーショナルデータベースよりも、さらに速いペースで拡大している。しかし同時に、ビッグデータの世界になっても、DB-Engineが公表した最新のデータ人気ベースランキングでは、依然としてリレーショナルデータベースが上位にランクインしている。
現在の流れが続けば、ビッグデータの世界でも、当面の間はNoSQLとリレーショナルデータベースが表彰台の場所を分け合っていくと予想される。
NoSQLの台頭
NoSQLは、企業内で利用される非構造化データが劇的に増えたことに対する回答であり、RDBMSの覇権に対する最大の脅威だ。Oracleは現在、商用データベース市場の40%を支配しているが、アナリストのCurt Monash氏は、その支配力に対する最大の脅威の1つがNoSQLだと述べている。
「基本的に、市場におけるOracleの地位を脅かす重大な脅威となり得る要素が3つある。その1つ目が、OracleのRDBMSがあまり得意としない応用分野の成長だ。そのような応用分野の大半には『ビッグデータ』という説明がよく当てはまる」(Monash氏)
しかし、IDCのデータが示すとおり、NoSQLの前途にある道のりはまだ長い。
提供:IDC
苦戦はしているものの、DB-Engineの人気ランキングの結果では、MongoDBや、DataStaxが支援する「Apache Cassandra」、「Redis」などNoSQLデータベースが上位にランクしており、ギャップが縮まり続けていることを示している。
提供:DB-Engines
この成長は、RDBMS市場の減速を背景としたものだ。RedMonkのアナリストStephen O'Grady氏が指摘するとおり、Oracleはデータベースの人気と収益の両方のランキングで首位を占めているが、新規ライセンスの販売による利益は減り続けている。
提供:Redmonk