IoTセキュリティの設計図

IoTエコシステムとネットワークインフラ--設計の初期段階でセキュリティを組み込む - (page 3)

Manoj Kumar Rai(マノジ・クマール・ライ) ジェムアルト

2016-06-07 07:00

 クラウドおよびIoTネットワーク上でやり取りする機密データは、不正アクセスや盗難防止のために暗号化する必要がある。データが物理ネットワークや仮想環境、クラウドに置かれているのか、または実際に伝送中なのかに関係なく、重要な情報の暗号化は効果的な手段だ。たとえこれらのデータをハッカーが手にしたとしても、暗号化されているため意味を成さず、悪用することはできない。

 ただし、プライベートキーのセキュリティを確保してしっかりと管理しなければ、暗号化の意味がないので注意が必要だ。プライベートキーがハッカーの手に渡ってしまうと、ハッカーはすべてのデータを復号し、不正なIDを作成し、思うままに証明書を作成することが可能になる。

 暗号化によってリスク管理の焦点がデータ自体から暗号化キーに移るので、暗号化キーのライフサイクル全体を通じてその管理、格納、使用における高いセキュリティを確保するキー管理ソリューションを実装することは、絶対不可欠だ。

 最終的に、IoTの世界でプロセスを簡素化するとともに、生産性、効率、ユーザーの利用環境の品質(Quality of Experience:QoE )を高める上で大きな役割を果たすのが、データアナリティクスだ。リアルタイムデバイス/ネットワークデータとクラウドアプリケーション/エンタープライズシステムからの状況依存情報とを統合することで、ユーザーに高い価値をもたらすカスタムIoTアプリケーションを短時間で設計し構築できる。

 現在市場に出回っている最新のIoT製品やサービスの多くには、デバイスの管理と通信、ネットワーク、システムのセキュリティ確保など、IoTアプリケーションに伴う複雑な処理を実行する構築済みのサービスとツールが実装されている。これらのサービスとツールによって、開発者はあらゆるネットワークで信頼できるソリューションを簡単かつ迅速に、また大幅に低コストで構築することができる。

 IoTアプリケーションのさらなる普及に伴い、膨大な量のデータとコネクテッドデバイスを高い信頼性で接続し、通信し、管理できる能力は、関係者にとって非常に大きな課題と同時に機会ももたらす。いつどこで利用するのかといったことに関係なく、大多数のユーザーはデータの安全性とセキュリティが確保されていると感じたときに、初めてIoTアプリケーションを受け入れ、利用するだろう。

 デバイスからネットワーク、データストレージプラットフォームまで、設計段階からセキュリティを組み込むことによって、機密データが不正ユーザーの手に渡る危険性を大幅に軽減し、あらゆる人に幅広いメリットをもたらす盛況なIoTエコシステムへの道が開かれる。

Manoj Kumar Rai(マノジ・クマール・ライ) ジェムアルト株式会社
Head of M2M Solutions South Asia & Japan Gemalto
南アジア地区及び日本地区を含めたM2Mソリューションのセールスを統括。ジェムアルトのM2MビジネスユニットにてM2Mソリューションの収益を上げ、M2Mエコシステムの普及させることに責任を有しており、自動車、インダストリー、インテリジェント・アプリケーション分野の新規ビジネス開発も担当。

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