はなまるうどん、CRM基盤を完全移管--クーポン利用率3倍に上昇

NO BUDGET

2016-08-19 17:34

 セルフ式うどん店「はなまるうどん」を展開するはなまるは、従来のメルマガに代えて、SNSマーケティングプラットフォーム「モニプラ」を利用して、顧客向けコミュニティーサイトを開設。新たな顧客関係管理(CRM)施策を開始している。

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 同社は現在、国内395店舗を展開しており、店舗の販促POPなどを通じて登録されたメルマガ会員約3万人に向けて定期的にクーポンや店舗情報などを配信してきた。近年では、SNSやスマートフォンの急速な普及によって生活者のライフスタイルが大きく変化したことなどから、メルマガでの顧客とのコミュニケーションに限界を感じていたという。

 具体的には、(1)従来のメルマガ施策におけるさまざまな問題(メンテナンスの煩雑さ、スマートフォンへの乗り換えによる配信エラー)の解決、(2)顧客が「常に新しい情報」に触れられる“ブランド発信の基盤”の構築、(3)自社コミュニティーで顧客一人一人の消費意向を可視化し、来店や販売の促進や認知の拡大――といった課題があった。

 こうした課題に対し、同社はモニプラを利用して、顧客向けコミュニティーサイト「はなまるうどん ファンサイト」を開設。従来のメルマガ施策に代わるウェブコミュニケーション基盤として、新たなCRM施策を2015年から開始した。

 2015年11月に従来のメルマガサービスを停止し、モニプラの「コミュニティ機能」で構築した自社コミュニティーサイトへと会員システムを完全移管した。店内ポスターやPOP、キャンペーン、FacebookなどのSNSアカウント、さらにはオウンドメディア(自社サイト)を通じて顧客に向けて再登録を促した。

サービス移管のイメージ
サービス移管のイメージ

 その結果、従来会員の推定アクティブ率を上回る約3割の利用者が新たにコミュニティーサイトへ登録してきたという。約1年で2万人を超える顧客ネットワークを確立している。

 移管後は、配信エラーの多かった従来型携帯電話(フィーチャーフォン)への配信を廃止して生産性を改善したほか、登録時に「年齢・性別」といった属性情報のほか「店舗の利用頻度」や「商品選択時に重視するポイント」といった定性的な情報もアンケートで取得し、マーケティングの精度を向上。コミュニティー会員にメールで配信されたクーポンの利用率がメルマガ経由の2%から6%に向上するなど、CRM施策の大幅な効率化を実現した。

 現在は、Facebook、Twitter、Instagramの公式ページ投稿をファンサイト上へ集約し、情報発信の“総合的な基盤”として活用している。

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