JVCケンウッドは、従業員のワークスタイル変革に向けた仮想デスクトップ環境(VDI)を支えるストレージ基盤にオールフラッシュストレージやハイブリッドストレージなどを導入した。ネットアップが6月8日にユーザー事例として公表した。
VDI向けに性能と効率性、運用性に優れたストレージ基盤を構築でき、ワークスタイルを変革するためのクライアント環境を実現したという。今後は、今回のシステム基盤をリファレンスとしてグループ企業に対しても展開していく計画。
JVCケンウッドは、社内全体で約4500台のPCを運用。これまで必要に応じて個別に調達してきたことなどからPCへの投資やヘルプデスク業務の増大に加え、PC稼働率の低下、そしてWindows XPのサポート終了期限などが課題となっていたという。
全社的な取り組みとして従業員のワークスタイルを変革するにあたり、従来のクライアント環境を刷新することを決定した。同社が求めた要件は以下の通り。
- 約4500台の物理PCによる過剰な投資や多大なヘルプデスク業務を削減できるクライアント環境の構築
- 全社的なワークスタイル変革を推進するための基盤となるクライアント環境の確立
- 業務に利用する3次元CADが求める厳しいワークロード要件に応えられる高性能なストレージ基盤
同社では各部門でさまざまなアプリケーションが利用されているため、従業員のワークスタイルを業務タイプ別に分類し、このうちオフィス用途向けのクライアント環境と3次元CADを利用するワークステーション環境をシンクライアント化することとした。
オールフラッシュストレージの「NetApp All Flash FAS(AFF)」とソリッドステートドライブ(SSD)とハードディスクドライブ(HDD)の ハイブリッドストレージ「NetApp FAS」など複数のネットアップ製ストレージを導入、併用することで、VDI向けに性能と効率性、運用性に優れたストレージ基盤を構築し、同社のワークスタイルを変革するためのクライアント環境を実現したという。
具体的には、特にストレージI/Oが多いマスターOSイメージやOS差分領域、移動プロファイルの保管にAFFを採用、負荷分散のために2ノードあたり1000ユーザーを割り当てた。ユーザーデータ領域にはFASを採用、FASからファイルサーバ機能も同時に提供し、ユーザー環境に関連するデータをすべてネットアップのストレージ基盤上で完結させた。メリットは以下の通り。
- AFFを含む複数のネットアップ製品を採用することで、性能と効率性に優れたストレージ基盤を構築したことに加え、社内のストレージ基盤をネットアップ製品で統一したことで運用管理負荷を大幅に軽減
- ネットアップ独自のストレージOSである「clustered Data ONTAP」を活用しながら、FASの1セットでVDI向けのストレージとファイルサーバの両方を提供
- データ保護機能でストレージ単体での多世代バックアップや筐体間ミラーリングが可能な堅牢なストレージ基盤を構築

システム構成(ネットアップ提供)