IDC Japanは6月9日、国内エンタープライズモビリティ関連市場に関する2020年までの予測を発表した。国内企業におけるタブレットとスマートフォンの総稼働台数は、2015年の968万台から2020年には1598万台へと増加し、2015~2020年の年平均成長率(CAGR)は10.5%と予測している。
2020年の予測内訳をみると、タブレットが972万台、スマートフォンが625万台で、2015~2020年のCAGRはそれぞれ9.6%、12.2%と予測した。タブレットについては、これまで市場のけん引役であった小売、サービス、教育といった産業分野での需要は落ち着く一方、日本版「インダストリー4.0」をにらんだ設備増強に関連した活用が期待される製造分野、東京オリンピックに向けた建設需要に対応した活用を図る建設分野などが、今後の成長余地が大きい産業分野であると見ている。

国内ビジネス市場タブレット/スマートフォン総稼働台数予測(2015年~2020年)
売上額は、2015年の94億円から2020年には204億円まで拡大し、2015~2020年のCAGRは16.7%と予測している。現段階ではモバイル端末管理(MDM)に対する需要が高いとみているが、中期的にはモバイルアプリケーション管理(MAM)に対するニーズが高まり、さらにモバイルコンテンツ管理(MCM)の統合も進むと見込んでいる。
ITサービスへの支出額は、2015年の1285億円から2020年は3423億円に拡大し、2015~2020年のCAGRは21.6%と高い成長を継続すると予測した。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みが本格化する中、クラウドサービス、ビッグデータなどと組み合わせたエンタープライズモビリティの活用が進行していくことから、これに向けたシステムインテグレーション案件やITコンサルティング、モバイルアプリケーションの開発運用、モバイルセキュリティサービスといったサービスが幅広く拡大するとしている。