調査

成長に自信がなく、デジタルを使いこなせない日本のCEO:PwC調査

NO BUDGET 2016年07月06日 07時00分

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 PwC Japanは、6月24日、「第19回世界CEO意識調査:変貌する世界で成功を再定義する」の日本分析版を発表した。このリポートは、2016年1月にPwCグローバルが発表した同調査から、日本企業のCEO126人の回答に焦点を当て、世界全体や他地域と比較を行い、日本企業が置かれている状況や今後の課題について考察したもの。PwCグローバルの調査は、2015年9月~12月に実施した世界83カ国において1409人のインタビューをベースにしている。地域ごとの内訳は、アジア太平洋476(日本含む)、西欧314、北米146、中南米169、中欧・東欧170、アフリカおよび中東134となっている。

 同調査では、「今後3年間の成長に自信」と答えた日本企業の経営者は33%にとどまり、世界全体での49%という結果を大きく下回ることが明らかになった。また、自社が成長する上で重要視する国は、調査史上初めて米国が中国を抜き首位になり、事業成長のためのさまざまなデータ分析やステークホルダーとの対話などへのテクノロジ活用は、世界全体に比べ低い傾向となることが判明した。人事戦略では「将来のリーダーの選定および育成」を最重要課題と位置づけていることも明らかになった。


質問:今後12カ月間に、貴社の売上を拡大する見通しについてどの程度自信がありますか?

 世界経済の今後の12カ月の見通しについて、「改善する」と回答した日本のCEOは14%で、2015年より8ポイントよりも下回っている。また、2016年の世界全体のCEOの結果では27%となっている。さらに日本のCEOの22%は、世界経済の成長が減速すると回答している。また、今後12カ月間の自社の成長に非常に自信を抱いている日本のCEOは2015年の27%から横ばいの28%にとどまった。世界全体では、35%となっている。

 今後自社が成長する上で重要な国・地域については、日本のCEOの55%が米国、45%が中国、28%がタイを挙げた。調査開始以降初めて、米国が中国を抜いて1位となり、中国経済が減速傾向にある中で、日本のCEOが米国を重視する傾向が浮き彫りとなった。また、日本のCEOの72%(世界60%)は自社の成長機会が3年前よりも増えていると考える一方で、69%(世界66%)は自社の成長に対する脅威が3年前よりも増えている、と回答している。


質問:今後12カ月間で、貴社全体が成長する上で、貴社の本拠地以外で最も重要と思われる3カ国を挙げてください

 経済的・政策的・社会的脅威については、日本のCEOは世界全体に比べ、「為替相場の乱高下」(世界73%、日本85%)、「金利の上昇」(世界58%、日本70%)、「ユーロ圏の債務危機」(世界51%、日本67%)を挙げる割合が高い結果となった。

 また、幅広いステークホルダーとの関係についての調査では、企業経営に影響を与える主要なステークホルダーについて質問したところ、世界、日本のCEOともに「顧客・クライアント」(世界90%、日本90%)を最も重要視していることが分かった。この中で、世界全体と日本で差が見られたのは、「政府・規制当局」で、世界全体が69%で2位となっているのに対し、日本のCEOの回答では44%の5位にとどまった。PwC Japanでは、欧米諸国などと比べ新規事業の開業率が低い日本企業では、政府・規制当局との関係の在り方を見直し、対話を継続し積極的に働きかけていくことが重要であるとしている。

 テクノロジの活用については、「オンライン・レポーティング・テクノロジー」(世界33%、日本14%)、「ソーシャル・リスニング・ツール」(世界23%、日本10%)などの項目においても、世界全体に比べ日本のCEOの回答が低い割合となった。


質問:幅広いステークホルダーとの関わりにおいて、最大の効果を発揮すると思われるテクノロジーを以下からお選びください(複数回答可)

 さらに、ステークホルダーとのコミュニケーションで今後力を入れるべき領域については、「企業の存在意義と価値」(世界59%、日本59%)、「事業戦略」(世界54%、日本73%)、「非財務指標」(世界50%、日本46%)、「従来型の財務諸表」(世界30%、日本47%)が上位に挙げられた。IR活動の中で、世界のCEOが、環境や社会との関係など非財務諸表を重視するのに比べて、日本のCEOは事業戦略や従来型財務諸表についての説明を重視する傾向が強いことか明らかになった。

 また、日本のCEOの94%(世界72%)がビジネス面での脅威として「鍵となる人材の獲得」を挙げている。企業の競争力を維持するために、人材戦略をどのように改革していくべきかを聞いたところ、日本のCEOの73%が「将来のリーダー候補者の選定・育成」(世界49%)、48%が「職場の風土と行動原理」(世界41%)、37%が「ダイバーシティとインクルージョン(多様性の受容)の推進」(世界22%)に注力していきたいと回答した。

 PwC Japanでは、今回の調査結果から、多様性と順応性を兼ね備えた人材の獲得、テクノロジの戦略的な活用、そして、それらとイノベーションを効果的に結び付けていくことが、日本企業の課題を解決する鍵となることが明らかになったと指摘している。

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