Microsoftは米国時間7月7日、人工知能(AI)システム「Project Malmo」をオープンソース化したと発表した。
これによって、プライベートプレビュー段階にあったProject Malmoは、少数のコンピュータ科学者の手を離れ、オープンソースプロジェクトのコードリポジトリであるGitHubにその拠点を移すことになった。
Project Malmoは、「Minecraft」というゲームの世界でAIのアルゴリズムをテストするためのAIシステムだ。
かつて「Project AIX」と呼ばれていたこのプラットフォームは、ロボットを構築せずともコマンドや物理的な対象の理解をテストできるようにすることで、AIプログラミングの安価かつ効果的なテスト手法を新興企業に提供するという目的で開発された。
このプラットフォームの主な目標は汎用AIのリサーチを加速させるというものだ。こういったAIには教育用の学習型エージェントのほか、会話や意思決定、複雑なタスクの遂行といったものも含まれる。英国のケンブリッジにあるMicrosoftの研究所のリサーチャーKatja Hofmann氏によると、Project Malmoは「強化学習」にも応用できるという。強化学習とは、AIエージェントが試行錯誤を重ねながら、最適な決定を選択した際に最も多く報酬が得られるような方法を学習することで、タスクの完遂方法を学ぶというものだ。
Hofmann氏は「われわれは、人々がリサーチ上の極めて難しい疑問の解決に向けて進んでいけるようにするためのツールを生み出そうと取り組んでいる」と述べた。
Microsoftは、今回のオープンソース化に伴い、ボット同士や人間とのやり取りができるボットの作成を可能にする新機能も追加している。リサーチャーらは、Minecraftという世界における時間の流れを速めることで、実験のペースを高速化できるようにもする計画だ。
Project Malmoは、Minecraftの世界の中で活動するAIエージェントを支援するためのJavaのMODとコードから構成されており、「Windows」やLinux、「OS X」上で動作する。
Project MalmoはGitHubからダウンロードできる。

提供:Scott Eklund/Red Box Pictures
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。