ベリタステクノロジーズの「ハイブリッドクラウド環境における情報管理の現状」日本語版(PDF)によると、現在世界中で74%の企業が複数のクラウドインフラベンダーを利用しており、23%は4社以上のベンダーを利用している。これは、異機種混在環境全体に広がるデータを保護、管理、利用する責任の大半がIT部門にかかってくることを意味する。
地域別では、日本はパブリッククラウドの活用が最も進んでいると説明。パブリッククラウドへのITサービスの移行率はフランスとドイツより38%高く、米国とカナダより33%高い。
ただし、今回の調査で日本での“パブリッククラウド”には、いわゆるIaaS/PaaSに加えて、システムインテグレーター(SIer)などITベンダーへの外部委託、委託されたSIerによるデータセンターでのホスティングやハウジングも含まれている。
多くの回答者が、一部のITサービスはクラウドに移行されず今後もオンプレミスに残ると述べている。日本企業でオンプレミスに残るとされたITサービスは、回答者の21%が災害復旧(DR)対策やバックアップ/リカバリと答え、次いで顧客情報管理システム(CRM)が20%となった。
日本企業は他国と比較して、ハイブリッドクラウドにセキュリティ(30%)よりもコスト上の利点を求める(40%)傾向がある。
日本では従来のオンプレミスのITサービスが今後12カ月で32%低下し、現在の37%から28%になる見込み。日本は世界で最も早く企業がパブリッククラウドアーキテクチャを採用した地域の1つであり、パブリッククラウドの利用率は、調査対象国中トップの39%に達する。
今回の調査で、パブリッククラウドに置かれる、ビジネスクリティカルなITサービス(ワークロード)が今後2年で倍増する見込みであることが明らかになった。
こうした結果を受け、ベリタスは、サービスプロバイダー、IT部門の双方で新たな責任や課題が生まれているとしている。サービスプロバイダー側では、安心してクラウドにデータを移行するための高可用性の保証、計画外のダウンタイムの回避などに関する責任が増大していると説明。IT部門には、オンプレミスとクラウドの両方のインフラに対応できる適切な情報保護戦略の策定、厳密な情報の整合性の保証という課題が生まれているとしている。
レポートは、Cicero Groupが実施した調査結果に基づいている。調査対象は、従業員500人以上、管理するデータ容量75Tバイト以上のグローバル企業1800社のIT責任者。日本企業188社が含まれている。7月21日に発表された。