調査

パブリッククラウドへの移行進むもオンプレミスも残る:ベリタス調べ

NO BUDGET 田中好伸 (編集部)

2016-07-26 14:14

 ベリタステクノロジーズの「ハイブリッドクラウド環境における情報管理の現状」日本語版(PDF)によると、現在世界中で74%の企業が複数のクラウドインフラベンダーを利用しており、23%は4社以上のベンダーを利用している。これは、異機種混在環境全体に広がるデータを保護、管理、利用する責任の大半がIT部門にかかってくることを意味する。

 地域別では、日本はパブリッククラウドの活用が最も進んでいると説明。パブリッククラウドへのITサービスの移行率はフランスとドイツより38%高く、米国とカナダより33%高い。

 ただし、今回の調査で日本での“パブリッククラウド”には、いわゆるIaaS/PaaSに加えて、システムインテグレーター(SIer)などITベンダーへの外部委託、委託されたSIerによるデータセンターでのホスティングやハウジングも含まれている。

 多くの回答者が、一部のITサービスはクラウドに移行されず今後もオンプレミスに残ると述べている。日本企業でオンプレミスに残るとされたITサービスは、回答者の21%が災害復旧(DR)対策やバックアップ/リカバリと答え、次いで顧客情報管理システム(CRM)が20%となった。

 日本企業は他国と比較して、ハイブリッドクラウドにセキュリティ(30%)よりもコスト上の利点を求める(40%)傾向がある。

 日本では従来のオンプレミスのITサービスが今後12カ月で32%低下し、現在の37%から28%になる見込み。日本は世界で最も早く企業がパブリッククラウドアーキテクチャを採用した地域の1つであり、パブリッククラウドの利用率は、調査対象国中トップの39%に達する。

 今回の調査で、パブリッククラウドに置かれる、ビジネスクリティカルなITサービス(ワークロード)が今後2年で倍増する見込みであることが明らかになった。

TechRepublic Japan関連記事

 こうした結果を受け、ベリタスは、サービスプロバイダー、IT部門の双方で新たな責任や課題が生まれているとしている。サービスプロバイダー側では、安心してクラウドにデータを移行するための高可用性の保証、計画外のダウンタイムの回避などに関する責任が増大していると説明。IT部門には、オンプレミスとクラウドの両方のインフラに対応できる適切な情報保護戦略の策定、厳密な情報の整合性の保証という課題が生まれているとしている。

 レポートは、Cicero Groupが実施した調査結果に基づいている。調査対象は、従業員500人以上、管理するデータ容量75Tバイト以上のグローバル企業1800社のIT責任者。日本企業188社が含まれている。7月21日に発表された。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    マンガで解説!情シスが悩む「Microsoft 365/Copilot」の有効活用に役立つ支援策

  2. 運用管理

    データベース管理の課題を一挙に解決!効率化と柔軟性を両立する新しいアプローチとは

  3. セキュリティ

    セキュリティに対する意識や対策状況の違いが浮き彫り--日米豪における情報セキュリティの実態を調査

  4. セキュリティ

    もはや安全ではないVPN--最新動向に見る「中小企業がランサムウェア被害に遭いやすい」理由

  5. ビジネスアプリケーション

    AIエージェントの課題に対応、生成AIの活用を推進するための5つのデータガバナンス戦略

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]