RightScaleの調査結果によると、エンタープライズ分野ではハイブリッドクラウド戦略が拡大しており、71%の企業がパブリックコンピュートリソースとプライベートコンピュートリソースを組み合わせた戦略を採用しているが、コストの最適化に苦労する企業も増えているという。
クラウド管理ツールの提供を手がけるRightScaleが約1000人の回答者を対象に調査した。そのうち17%の回答者はRightScaleのツールのユーザーだった。
この年次調査では、さまざまな問題が浮き彫りになったほか、クラウドベンダーのランキングも提示されている。主な調査結果は、以下の通りだ。
大企業の中心的ITにおける最優先事項は、「ハイブリッドクラウドの活用」が29%で最多だった
大企業のクラウドで稼働する仮想マシンの数
- 77%の回答者はプライベートクラウドを導入済みで、前年の63%から増加した。
- 95%の企業はIaaSを使用している。
- クラウド関連の問題として企業が最も多く挙げたのは、専門知識とリソースの不足である。前年の最大の問題はセキュリティだった。
- コスト管理は26%の回答者にとって重大な問題となっている。一方、最適化戦略を採用している企業は少ない。
- 今回の最新調査結果における「Docker」の普及率は27%で、前年の13%から増加した。
- 「Amazon Web Services」(AWS)を使用している回答者は全体の57%で、前年と同じ割合だった。エンタープライズ分野での普及率は56%で、前年の50%から大幅に拡大した。「Microsoft Azure」を使用している回答者は全体の20%。
- 回答者の間での「OpenStack」と「VMware vCloud」の普及率は、いずれも19%。
- 大企業は複数のクラウドを利用する計画で、2015年から2016年にかけて、種類別の割合に変化はなかった。しかし、2016年に複数のパブリッククラウドを利用する予定があると答えた回答者は全体の16%で、前年の13%から増加した。逆に、複数のプライベートクラウドの利用を計画している企業は減少した(2015年の14%に対し、2016年は11%)。
- クラウドに関する意思決定プロセスにおいて、中央のIT部門がほかの事業部門より大きな役割を果たすようになっている。例えば、どのアプリをクラウドに移行させるのかについて、中央のIT部門が決定およびアドバイスする企業は全体の47%で、前年の44%から増加した。中央のIT部門がポリシーを採択する企業は全体の44%で、前年の31%から拡大している。
クラウド関連の問題として企業が最も多く挙げたのは、専門知識とリソースの不足だった
コスト管理は26%の回答者にとって重大な問題となっている
最適化戦略を採用している企業は少ない
大企業、SMBともに、「Amazon Web Services」(AWS)を使用している回答者が最も多かった
大企業とSMBでそれぞれ最もよく使われているプライベートクラウド
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。