アカウンティング・サース・ジャパン(ASJ)と三井住友カードは7月26日、業務提携に向けた基本合意書を締結したと発表した。今回の提携は、会計ビッグデータをクラウド上に持つASJの強みを生かし、クレジットカード発行や加盟店契約審査の手続きの早期化および自動化を目的とするもの。
これまで、中小事業者(法人・個人事業主)が三井住友カードのクレジットカードの発行を受けようとする場合や、加盟店契約を締結しようとする場合、決算書などの複数の財務書類を三井住友カードに郵送し、審査結果を数日間待つ必要があった。このため、中小事業者は、必要となったときに迅速にクレジットカードの発行を受けたり、加盟店契約を締結したりすることが難しいケースもあった。
一方、ASJのクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS」を利用する中小事業者は、財務情報をA-SaaS内で管理している。A-SaaSは、2100超の税理士事務所・税理士法人で契約、利用されており、税理士を通じてその顧問先である中小事業者にも会計・給与システムとして12万超の事業者が登録している。
今回の業務提携では、このA-SaaS内の財務情報を、中小事業者の許諾のもと三井住友カードのクレジットカードの発行審査や加盟店の審査に活用できる仕組みを構築することなどについて、両社の間で協議を進めていくという内容。
この仕組みを構築することにより、中小事業者の手続きが大幅に簡素化され、迅速にクレジットカードの発行やVisa/Mastercardの加盟店になれる。今後は、AI(人工知能)やビッグデータ分析の技術をオンライン審査の仕組みに組み合わせることで、従来人手に頼っていたクレジットカード発行や加盟店審査業務を自動化も進める。
ASJと三井住友カードは、事業拡大のため多様な決済手段や迅速な資金調達手段を求める中小事業者に対し、解決策を提供するために業務提携し、クレジットカード発行と加盟店契約のオンライン審査、自動審査モデルを共同研究する。