米Amazon傘下のAmazon Web Services(AWS)は利益を生み出し続けている。それにはいくつかの理由がある。Amazonの最高財務責任者(CFO)Brian Olsavsky氏によると、AWSの好調を支えているのは機能性および革新性と、エコシステム、経験だという。
AWSはAmazonの決算に貢献し続けている。米国時間7月28日に発表された2016会計年度第2四半期決算(6月30日締め)によると、AWSの売上高は前年同期の18億2000万ドルから28億9000万ドルに増加しており、同会計年度中の年間売上高100億ドル突破に向けて順調に進んでいる。しかしAmazonの事業全体にとってさらに重要なのは、AWSの営業利益がAmazon全体の56%を占めるようになり、Amazonの1株あたり利益が前年同期の0.19ドルから1.78ドルへと大きく伸びた点だ。
AccentureのマネージングディレクターMark Sullivan氏は、AWSの将来予測を天気予報になぞらえ、「雲(クラウド)が多く、強烈な売り上げが降り注ぐ可能性がある」とツイートしている。AWSの収益性も向上を続け、Amazonに大きな利益をもたらしている点は言うまでもない。
こうした売上高、そして収益性は、企業がクラウド分野のリーダーであるAWSに対してより多くの投資を振り向けるようになることで、引き続き向上していくはずだ。Olsavsky氏によると、エンタープライズがそうした行動をとると考えるに足る複数の理由があるという。
エンタープライズがAWSに傾斜する理由
決算発表後の電話会議における質疑応答で、OppenheimerのアナリストRay McDonough氏は、複数のメディアが「大手顧客はAWSを利用する傾向があるとはいえ、(それと同時に)Google(のクラウド)や『Microsoft Azure』を利用し、マルチクラウドアーキテクチャとでも言うべきものを作り上げる可能性がある」と報道しているとし、AWSが数あるクラウドのうちの1つという存在になった場合、現在クラウド分野のリーダーであるAWSは長期的な観点から、「全体的なエコシステムにおいて」どういった位置付けになるのかと質問した。
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