Googleは米国時間8月4日、「Open Compute Project」(OCP)向けの48Vラック仕様である「Open Rack Standard V2.0」の暫定(Preliminary)版を公開したとブログで発表した。同社はFacebookとライバル関係にあるものの、データセンター向けサーバ機器のこの標準設計では協力し合っている。
OCPは、参加企業間でカスタムハードウェアの設計を共有し、より効率の高いデータセンターを実現しようとするものだ。Open Rack Standard V2.0は、GoogleのOCPに対する初めての大きな貢献である。
GoogleとFacebookはオンライン広告の分野で争っているが、両社は自社で運用しているハイパースケールデータセンターの効率を最適化するうえで、機器設計を共通化することにはメリットを見出している。
両社は、「スペースに制約のあるデータセンター内にOCPラックを高密度で配備できるようにする、奥行きの浅い、モジュール化されたフォームファクタを備えた48V給電アーキテクチャ」を特徴とする新たなサーバラックの標準化を目指して協力している。
Googleは、2016年3月にOCPに参加した際、最初の貢献が48V給電のラック設計になると述べていた。Googleは2010年から独自に同ラックの開発に着手しており、従来の12V給電のものよりも電源効率が30%向上すると述べている。Googleよると、このラックに移行した結果、「数百万ドルと、消費電力量にして数百万キロワットアワー(kWh)」が節約できたという。
Googleの48V給電アーキテクチャがOCPに採用されれば、Facebookのエンジニアが開発した、現行の12V給電アーキテクチャに基づく「Open Rack」仕様が置き換えられることになる。
Googleは、この新たな標準には48Vのパワーシェルフや整流回路、ラック管理コントローラ、バッテリバックアップユニットが含まれるとしている。同標準は現在、OCP参加企業によるレビューを目的として公開されており、2016年中にOCP Foundationに提出される予定だ。
このアーキテクチャがOCPによって採用された後、参加企業はNokiaやWiwynn、Quanta Computerといった認定製造業者や、その他のパートナー企業に機器の製造を依頼できるようになる。
OCPは、Facebookが自社のデータセンター向けカスタムハードウェアの仕様をオープンソース化したことに端を発するイニシアティブだ。OCPの参加企業には現在、Goldman SachsやDeutsche Telekom、Intel、IBM、Microsoftも名を連ねている。またMicrosoftは「Microsoft Azure」や「Office 365」「Bing」「Xbox Live」のサポートにOCP標準ハードウェアを採用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。