Lee氏は「フロッピーディスクであれ、フラッシュディスクであれ、磁気テープであれ、DNAであれ、長い時間を経た後でも読み込みが可能となるように何らかのストレージメディアを取り置いておくという考え方は、デジタル情報の保管戦略として現実的ではない」と述べるとともに、「DNAストレージは、今後10年程度という中期的な視点で見れば、記録密度と永続的な保存という点で素晴らしい可能性を秘めている。しかし、より長期的な視点で見た場合、永続性という問題はこのストレージメディアだけで解決するわけではない」と述べている。
Lee氏はまた、情報の長期的な保管を重視するアーカイブ担当者であれば、リソースを割いて長期にわたって専門家に報酬を支払い、素材が実用的であり、信頼でき、理解可能であることを保証させるべきだとした。
まとめ
- 7月、ワシントン大学の研究者らとMicrosoftは、200Mバイトというかつてない容量のデータを分子鎖上に格納し、DNAストレージにおける重要なマイルストーンに到達した。それまでの記録は22Mバイトだった。
- DNAストレージの普及に向けた最大の障害は、コストとともに、データの取得や使用ができなければならないという点にある。ワシントン大学とMicrosoftのチームは、ユーザーがDNAを自ら取り扱わなくても情報を保存でき、かつ後でその情報を検索できるようなエンドツーエンドのシステムの実現に向けて取り組んでいる。
- DNAストレージの応用例として最も期待できるのは、大規模データセンターにおけるバックアップだ。しかし、将来的にはコンシューマーレベルでの使用もあり得るかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。