セールスフォースのAIプラットフォーム「Einstein」で知っておくべきこと

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部 2016年09月20日 12時17分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Salesforce.comが米国時間10月4日から開催する「Dreamforce 2016」では、同社の人工知能(AI)プラットフォーム「Einstein」が話題の中心になりそうだ。同社の幹部らはここ数週間、Einsteinの詳細を少しずつ明らかにしてきている。

 皮切りは、同社の決算発表時に実施された電話会議における、最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏による概要説明だった。その後、Einsteinを直接統括するチームが目玉となる機能のデモを見せるとともに、同プラットフォームをどのような分野(リードスコアリングや販売の予測分析を思い浮かべてほしい)から適用していけるのかを説明してきた。

 本記事では、米国時間9月19日に発表されたEinsteinについて、知っておくべきことを紹介する。

Salesforceは、同社のクラウド全体に人工知能の息吹を吹き込もうとしている。Einstein担当のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのJohn Ball氏は、同社が独立したAI製品を提供することはないとし、「これはすべてのクラウドを通じてAI機能を提供する、顧客関係管理(CRM)向けのAIだ」と述べるとともに「CRMというコンテキストにAIが内包されている」と述べている。

Einstein

 業務ユーザーも開発者と同程度にAIを使用することになる。Salesforceが開発者に向けて、予測型分析サービスのほか、各種の予測やセンチメント分析、モデル化のカスタマイズでアピールしているのはもちろんだ。そしてSalesforceはEinsteinと、同社の開発プラットフォームである「Heroku」を連携させようとしている。しかし、Einsteinでは業務ユーザーも大きな恩恵を被ることができる。Ball氏のデモでは、業務ユーザーがどのようにしてプロセスのモデル化を行い、AIを組み込めるのかが強調されていた。同氏は、「世の中には、モデルを構築できるデータサイエンティストの数が不足している。モデルはプラットフォーム内に組み込まれていなければならない」と述べている。

Einstein

 ここでの売りは、EinsteinとAIがデータサイエンティストの人材不足を補い、企業が独自には開発できなかったツールを提供することだ。 Ball氏は「AIは大多数の企業にとって、あまりにも敷居が高い」と述べている。

Einstein
Einstein

Einsteinは買収によって獲得した技術に基づいている。Salesforceはここ数年でAI関連企業を9社買収し、データサイエンティストと専門家からなる175名のチームを築いている。

AIは目に見えてはいけない。Ball氏はAIが舞台裏で活躍するべきものだと述べている。Facebookの画像認識や、Amazonの機械学習や「Alexa」(「Amazon Echo」)、そしてGoogleのツールはすべて、AIが舞台裏で動作するものとなっている。Salesforceはビジネスの分野で同じことを行おうと考えているのだ。

Einstein

データの取得元は?Salesforceは、同社の顧客ベースと、企業とのやり取りに基づく大量のデータを保有している。これらのデータから、顧客が目的に応じてあつらえられる優れたメタデータの基盤が得られる。Ball氏によると、こういったデータは自動的にモデル化されるものの、共有されることはないという。Einsteinのシステムは、ローカル側で決定したデータ定義に準拠して動作し、Salesforce側では情報の共有に際して許可が必要となる。

Salesforceのスタック内におけるEinsteinの位置付け

Einsteinの価格は?Ball氏は、Einsteinがコアプラットフォームの一部になり、既存のサービスとライセンスに一部の機能とツールを組み込んだかたちで提供されると述べている。また、Einsteinのその他の機能については別途追加費用が発生する。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]