ビズリーチは10月12日、大学生と卒業生や企業をつなぐマッチングサービスとして「ビズリーチ・キャンパス」を新規に立ち上げ、大学生のキャリア教育支援領域へ新規参入する。
ビズリーチ・キャンパスは、大学生とその大学の卒業生や企業をつなぐオンラインプラットフォームで、登録した大学生は就職活動時期や学年などに関係なく、さまざまな業界で活躍する社会人と直接会って話を聞き、早期に就業観を醸成できるという。
ビズリーチ 代表取締役社長の南壮一郎氏
具体的には、各大学の在校生が学部や学科といった基本情報のほかゼミや部活、サークル、出身高校などの情報を登録できる仕組みになっており、卒業生が学生のプロフィールを閲覧したときに学生との共通点を見つけやすくなっている。学生は登録後、母校の卒業生から属性が似ているといった点や、興味がある会社に在籍しているといった条件にあてはまる先輩を見つけ、クリックによりアプローチすることができ、それを卒業生が承諾するとマッチングが成立する仕組み。
その後はビズリーチ・キャンパス内でメッセージのやりとりができ、卒業生への訪問日程調整する。また、卒業生が登壇するイベントに応募できる機能なども備えている。ビズリーチ・キャンパスには、3カ月のテスト運用期間を通じて、すでに約9000人の学生、1万2500人程度の卒業生の登録があるという。
企業はビズリーチ・キャンパスにスポンサードが可能であり、契約企業は大手メーカーや総合商社など含む120社以上とした。
ビズリーチ 代表取締役社長の南壮一郎氏はサービス開発の背景として、インターンシップを実施する企業が増加している点や、ヤフーが新卒の一括採用を廃止するなど通年採用が増加している点を挙げる。日本の大学生が早期から就業観を醸成する動きは今後さらに加速していくことが予想されると説明した。
また、他の紹介サービスとの違いは、ビズリーチの転職予備軍である会員70万人のデータベースであるとした。「われわれの会員の92%が在校生からの訪問依頼に前向きな姿勢を示している。これまでもとのマッチングサービスは存在したが、規模が大きくならなかった。3カ月のテスト中、会員にメールでサービスを紹介したところ、1万2500人ののサービス参加承認が得られている。今後は大学別にサービスを展開し、より良いマッチングや、具体的なキャリアを描いてもらいやすくする」(南氏)
主要就職サイトに掲載されたインターンシップ実施企業数の合計
またビズリーチは今回、東京理科大学とキャリア教育分野において協定を締結し、東京理科大学の全校生への支援を行っていく。具体的には東京理科大学の在校生・卒業生のサービスをビズリーチ・キャンパス上で展開するほか、東京理科大学の在学生向けにビジネスの第一線で活躍する社会人などが登壇するキャリア教育の講座をキャンパス内で実施する。
11億5000万円を調達
同日、東京理科大学インベストメント・マネジメント、グロービス・キャピタル・パートナーズ、SMBCベンチャーキャピタルなどを引受先とした第三者割当増資などにより、総額約11億5000万円を調達したことも発表した。
今回の資金調達は、東京理科大学が収益事業を統括する事業会社として2014年に設立した東京理科大学インベストメント・マネジメントが支援する大学発ベンチャーキャピタルファンド(TUSキャピタル1号投資事業有限責任組合)の第一号案件として実施された。
今回調達した新たな資金は、ビズリーチ・キャンパスの立ち上げなどに活用し、大学生のキャリア教育支援領域にも事業を拡大していく計画。
総額約11億5000万円の資金調達の引受先(ファンド運営会社)5社は以下の通り。
- 東京理科大学インベストメント・マネジメント株式会社(ファンド運営会社・アストマックス・ファンド・マネジメント株式会社)
- 株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ
- SMBCベンチャーキャピタル株式会社
- みずほキャピタル株式会社
- SBIインベストメント株式会社