富士ゼロックスは10月12日、クラウドサービス「Cloud service platform」を発表した。年内の提供を目指す。Cloud service platformをベースに「Smart Work Gateway」というコンセプトを打ち出した。
Smart Work Gatewayは、企業での従業員の多様な働き方への対応が目的。政府が進める働き方改革の動きに呼応している。Cloud service platformは、Smart Work Gatewayの中核になる。
富士ゼロックス 代表取締役社長 栗原博氏
富士ゼロックスが提供するCloud service platformは、同社が開発する複合機(MFP)を「情報のポータル」(同社代表取締役社長の栗原博氏)にして、情報の入出力端末にする。Cloud service platformには、同社以外のパブリッククラウドサービスが連携し、シングルサインオン(SSO)で利用できる。10月12日には、コンカーやSansan、Boxとの連携も発表された。
コンカーとの連携では、出張費管理サービス「Concur Travel」や経費生産管理サービス「Concur Expense」とMFPをつなぐ。MFPで複数の領収書をスキャンしてConcurに情報が自動で入力されるようになる。
電子化された領収書が法的に証憑として認められるには、スキャンされたものだけであり、スマートフォンで撮影されたものはこれまで法的に認められていなかった。2017年1月からは、スマートフォンで撮影されたものも証憑として認められることが決まっている。
コンカー代表取締役社長の三村真宗氏は「経費精算には生涯で52日もの時間がかかっている。MFPで一括でスキャンすれば、経費精算が完了する。政府が進める働き方改革が、今回の連携の背景にある」と説明した。
Sansanとは、名刺管理サービス「Sansan」とMFPがワンストップで連携。MFPでスキャンされた複数枚の名刺は個別に認識、Sansanに自動で登録される。
Boxとは、ファイル共有サービス「Box」とMFPが連携する。Box上にあるデータは、本社以外の支店などにあるMFPで印刷できる。PCやモバイル端末などからBoxにアクセスして、富士ゼロックスがすでに提供しているクラウドサービス「Cloud On-Demand Print」からコンビニなどにあるMFPで印刷するといったことも可能だ。
富士ゼロックスは今後、同社のMFPから複数のデファクトスタンダードクラウドサービスが利用できるようにする。すでに連携しているPaaS「kintone」とも継続して提携サービスも強化していく。
Smart Work Gatewayのコンセプト概要(富士ゼロックス提供)