リコーは、世界数百万台規模で稼働する複合機のリモート管理サービス「@Remote」から得られるデータの利活用を支えるプライベートクラウド基盤を構築、2014年10月から稼働させている。情報分析のノウハウをもつデータサイエンティストの育成も進めているという。日本オラクルが3月30日に発表した。
@Remoteは、100以上の国や地域の顧客が使用している複合機の稼働状況や設定情報を顧客管理者にレポートするサービス。これまでにもプリント枚数やトナー残量、印刷設定など数千項目を超えるデータを分析して障害の未然検知や品質予測に生かしていた。
リコーでは、これをグループ全体で使える新たな共通システムに変更し、@Remoteに接続した全機種を対象としたデータを利活用できる環境を整備する必要があると考えていた。@Remoteのデータを分析することで複合機の故障の予兆を検知し「故障に手を打つ対応」から「予兆で手を打つ対応」へとサービスモデルを転換、保守点検の訪問件数の最適化で業務効率の改善とダウンタイムの低減など、顧客満足度の向上を目指していた。
今回構築されたクラウド基盤には、@Remoteから得られるデータを蓄積するオペレーショナルデータストアとしてNAS「Oracle ZFS Storage ZS3」、データ分析のためのデータウェアハウスとしてUNIXサーバ「SPARC T5」とZFS Storage ZS3が採用された。
社内ネットワークからの高速アクセスを実現しデータを全社で効率的に蓄積、分析できるという。増大し続けるデータを効率的に処理するデータ分割機能「Oracle Partitioning」やデータ圧縮機能の「Oracle Advanced Compression」と「Hybrid Columnar Compression」の活用でデータを実容量の30%以下に圧縮でき、将来のデータ容量の増加にも容易に対応できる拡張性があるシステムになったと説明している。