Microsoftは、さらに多くの独立系ソフトウェアベンダー(ISV)の製品を「Microsoft Azure」上で利用できるようにしようとしている。
Microsoftは米国時間10月18日、SAPのクラウドベースの人材管理サービス「SAP SuccessFactors HCM Suite」がAzure上でも利用可能になると発表した(SuccessFactorsは現在、SAPのデータセンターでのみホスティングされている)。この提携は、米フロリダ州オーランドで開催中の「Gartner Symposium/ITxpo」で、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏によって発表された。
SAPは2012年2月にSuccessFactorsを35億ドルで買収している。この買収が2011年12月に発表された際には、SAPが自社のクラウド戦略をてこ入れする端緒になると評されていた。
SAPとMicrosoftは20年以上にわたってパートナー関係にある。両社は2014年にも提携の拡大を発表し、SAPの持つ複数の中核ビジネスアプリケーションをAzure上で認定するとした。こうしたAzure認定アプリケーションには「SAP Business Suite」ソフトウェアや「SAP Business All-in-One」ソリューション、「SAP Mobile Platform」「SAP Adaptive Server Enterprise」(SAP ASE)、「SAP HANA」プラットフォームの開発者版が含まれていた。
両社は2014年の提携拡大発表の際に、Microsoftの「Microsoft Power BI」と「Microsoft Excel」をSAPのビジネスインテリジェンス製品「SAP BusinessObjects BI」に統合するとともに、SAPアプリケーションと「Office 365」やAzure間の相互運用や統合を実現するという計画も発表していた。
MicrosoftとISVのAzure関連の最近の提携報道と同様に、今回のMicrosoftとSAPの発表についても、詳しい内容は明らかにされていない。SAPは自社でホスティングするSuccessFactorsを維持する、つまりAzureでのみ同製品を提供するのではなく、Azureを選択肢の1つとして加えるように見受けられる。今回の発表によると、今後5年間を通じてAzureが選択肢として追加されるという。
MicrosoftとAdobe Systemsは9月26日、Azure上でAdobeの「Adobe Creative Cloud」と「Adobe Marketing Cloud」「Adobe Document Cloud」を利用可能にすると発表している。この提携は独占的なものではなく、発表時にはその実現がいつになるかということも明らかにされていなかった。現在Adobeは、こういったサービスを自社データセンターと「Amazon Web Services」(AWS)に振り分けて実現している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。