また機械学習の技術は、GEが提唱する「デジタル・ツイン」(物理的な資産を仮想的に再現したもの)の展開に必要なモデル化やシミュレーションにも、極めて重要な役割を果たす。
GEは、買収によってさまざまな組織的能力を獲得するのと同時並行で、サードパーティーとの提携関係構築も進めている。同社が新たに設けた独立系ソフトウェア開発会社(ISV)向けのプログラムは、パートナー企業がメンテナンスやコンテンツ開発、資産管理などの新たなPredix用産業アプリケーションを開発するのを支援するものだ。スタート時点でのパートナー企業には、Box、Decisyon App Composer、Entercoms、Ericsson、Mobideo、Nurego、Pitney Bowes、OAG Analyticsなどの名前が挙がっている。
GEはこのISV向けプログラムの他にも、すでに「デジタル・アライアンス・プログラム」と呼ばれる取り組みを進めており、AT&TやIntelなどの大手企業を含む、270社以上のグローバルパートナーを得ている。
さらに同社は、2017年中にASEAN地域と中東・北アフリカ・トルコ地域にエコシステムの拠点である「デジタルファウンドリー」を新設する予定であり、ドイツにも欧州第2のデジタルファウンドリーを開設する。GE Digitalは2016年にも、フランスのパリ、中国の上海、米国のサンラモンの3カ所に同様の拠点を開設している。
GEは、プラットフォームの成功にはパートナーエコシステムの構築が必要不可欠であることを認めているが、同社がその視点を取り込むには「まったく新しい考え方を必要とした」とRuh氏は述べている。Ruh氏によれば、GEがその観点を取り入れることができた理由の1つは、新たな人材を招いたことだったという。例えば、Siriの開発者の1人であるDarren Haas氏は、GEのPredix構築を手伝っている。また、Salesforce.comからGE Digitalに加わったDenzil Samuels氏も、GEのエコシステム拡大に取り組んでいる。
「産業界の企業は伝統的に、このような形でエコシステムと関わることはなかった。産業界の企業はオープンプラットフォームを持たず、専用の閉じたシステムを所有している。GE Digitalはエコシステムを新たな形で説明しようとしている」とRuh氏は語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。