ガートナーは、2月1日、2016年の主要電子機器メーカーの半導体需要に関する調査結果を発表した。2016年、Samsung ElectronicsとAppleは、半導体ベンダーにとって最大の顧客としての地位を堅持し、両社の半導体需要の合計は世界全体の18.2%となった。両社が半導体消費のトップ企業となるのは、今回で6年連続。
世界の電子機器メーカー上位10社の2016年半導体需要 (速報値、デザインTAM [Total Available Market] ベース) (単位:百万ドル)デザインTAM:半導体ベンダーにとっての顧客である電子機器メーカーの半導体購入量を示す指標。設計段階における購入量を示す。
Samsungは、スマートフォンや液晶テレビ、液晶パネルなどの分野で中国企業と激しい競争にさらされたが、2016年はシェア9.3%で、半導体消費企業の世界トップの座に返り咲いた。Appleは、ガートナーが2007年に調査を開始して以来初めて減少し、8.8%のシェアとなった。
ランキングのトップ10を見ると、2015年の上位10社中9社は、2016年も上位10社に残った。上位10社のランクから外れたのはCisco Systems。2016年にランク入りしたのは、中国のスマートフォンメーカーであるBBK Electronics。
上位10社の国別の内訳は、4社が米国企業、3社が中国企業、2社が韓国企業、1社が日本企業で、上位10社に中国企業が3社ランクインしたのは初めてのこと。
ガートナーでは、今回の調査結果から、上位10社を合わせた2016年の半導体消費が半導体市場全体の平均成長率を上回っていることと、SamsungとAppleの影響力が弱まりつつあることを指摘した。その上で、半導体ベンダーはもはや数社の有力な顧客に頼ってビジネスを確保することはできないとし、自社の大手顧客のリスクを考慮しながら顧客ベースの多様化を常に図る努力が必要だとした。