顧客のゴールと現状を知れ
具体的な営業のやり方として、顧客から課題を聞いてくるだけでなく、目指しているゴールを聞くことが重要になる。この上で、現状も聞く。ゴールと現状のギャップが課題になる。
現状の売り上げ構成を把握し、ゴールの数字をどう構成するかを決める。ここまで終わったら仕事の8~9割は終わりで、次にギャップを埋めるための投資配分を決める。あとはスケジュールを作ってPDCAで回すだけになる。
ただし、顧客にゴールを聞いても、8割は答えられないという。成功の定義を聞いても答えられない。ここで「だから失敗するんですよ」と提言すれば、大抵は話を聞いてくれるという。
今までのSFA(営業支援)やCRM(顧客関係管理)は、適当に入力しており、入力するモチベーションもなかったという。本来、SFAやCRMで管理すべき本質的な項目は、顧客のゴールと現状だという。これらを営業部門が入力すると、他部署を含めてさまざまな人がさまざまな情報を書き込むようになる。
成果を売る時代には、マーケティングのやり方も変わるという。「製品を見つけてもらう。SNSでシェアしてもらう時代になっている」(飯室氏)。
マーケティングの仕事の1つは、顧客体験を設計すること。このためには顧客について詳しくならないといけないという。例えば、事前の期待の大きさによって、同じ体験でも評価が変わる。体験そのものを設計しても、事前の期待が高いと批判されてしまう。