ロボット時代到来へ--新RPAサービスを発表したリコーの狙い - (page 2)

大河原克行

2017-03-03 07:45

 まずは、ドキュメントソリューションとの融合により、見積依頼や請求処理などにおいて、FAXなどで送られてきた書類を、リコーのOCR「伝匠」で読み込み、その情報をロボットで処理し、基幹システムと連携させるルーチン代行型の提案を実施する考えだ。

 今回の定型業務自動化支援サービスでは、同社が新設したRPA診断士による業務分析、BPR支援、RPA適用診断を行う「コンサルティング」のほか、ロボットの調達やロボット稼働環境の構築、ロボット行処理自動化設定、導入前のロボットへの教育を提供する「OAロボット派遣」、システム保守や活用支援相談などの「運用サポート・効果診断」で構成。

 30業務以上で、5~10ロボットが同時稼働し、年定額払いとする「長期利用モデル」、29業務までで、3~5ロボットが同時稼働する定額月払いの「レンタルモデル」、利用時間やロボットの数によって月額が決まる「従量課金モデル」を用意する。

 料金は最終決定していないが、最も多くなると見込まれるレンタルモデルの場合、初期費用として、コンサルティング費用が500万円から、OAロボット派遣費用で150万円から、そのほか月額利用料60万円からを予定している。初年度は1370万円からの投資となるが、2年目からは720万円からの費用で運用が可能だ。また、長期利用モデルでは年間2650万円から、従量課金モデルでは月額100万円からを予定している。

 リコージャパンでは、業務に精通したSEを対象にした社内資格制度として「RPA診断士」制度を新たに発足。RPAビジネスを加速させる考えだ。現在、5人体制だが、2018年までに約50人体制に増やす。また、RPA開発者制度も開始する。

 「RPA診断士は、RPAの導入における業務フローの見直しや、可視化した業務フロー図をもとに、ロボット化により効率化が図れる業務を選定し、提案する役割を担う。RPAは、すべての業務に適しているわけではない。RPA診断士により、実際の活用ノウハウをもとにした提案を行う」(リコージャパンの山本室長)とする。

 今回の定型業務自動化支援サービスの提供を前に、リコージャパンでは、社内でRPAを自ら活用。これによって蓄積したノウハウをソリューション提供に生かす考えだ。

 2016年7月から、バックオフィス業務の自動化に取り組む社内実践プロジェクトを開始。RPA導入の対象としたのは、「案件別単価マスタ登録」や「売掛金消込処理 入金紐付け」など、6つの業務。神奈川県川崎市にある拠点で、関東から北海道までの東日本エリアの業務を対象に試験導入を行った。いずれも、RPAテクノロジーズの「BizRobo!」を活用し、データ集計や入力、照合といった業務を代行させることで、55~85%の工数削減を達成したという。

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