Intelは米国時間3月23日、人工知能(AI)分野への取り組みをさらに加速させるために、「Artificial Intelligence Products Group」という新部門を設立すると発表した。同部門を率いるのはNaveen Rao氏だ。同氏は、Intelが2016年8月に買収した、深層学習を手がける新興企業Nervana Systemsの最高経営責任者(CEO)を務めていた人物だ。
Intelは、IoTから自動運転車に至るまでのさまざまな分野に注力するため、企業買収を通じて自社の立ち位置を強化しようとしてきている。要するにIntelは、自社のプロセッサを武器にして、データセンターからIoTスタックまでのソリューションを作り上げようとしているのだ。
Rao氏は同社のブログへの投稿で、この新たな部門がどのように他の複数の部門と連携していくのかを概説している。Intelは、AIのコストダウンや標準の確立を目指すという。Rao氏は、同部門がIntelのポートフォリオにおけるエンジニアリングや研究、ソフトウェア、ハードウェアを組み合わせることになると述べている。
また、IntelはAI研究所も設立する予定だ。Moor Insights and Strategyの社長であるPatrick Moorhead氏によると、今回の新部門設立は筋が通っているという。同氏は以下のように述べている。
IntelはAI分野に大きな可能性を見出しており、同分野から最大の利益を導き出そうと全力を尽くしている。同社はAlteraやNervana Systemsをはじめとする企業の知的財産(IP)を手中に収めてきており、これらIPはIntel社内で育んだIPと組み合わせる必要がある。そして現在、それらの成果をもたらすために加速していく時期に差しかかっている。今回設立が発表された新部門の意義はそこにある。同部門は、このような成果をもたらすことを目的としており、IntelのCEOであるBrian Krzanich氏の直下に置かれる、中央集権化された組織なのだ。今回の動きは、製品分類の枠組みを超えた部門をCEO直属の組織とすることで製品開発を加速するという、古典的な組織運営戦略だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。