Salesforceは、同社の「Financial Services Cloud」の顧客として、Transamerica Financial Networkを獲得したと発表した。Transamerica Financial Networkは、世界有数の金融サービス企業であるTransamerica Corportionの北米における販売チャネルを担っている。
多くの金融サービス企業はすでにSalesforceのCRMサービスを利用しているが、同社はそれらの顧客を金融・保険業界向けソリューションであるFinancial Services Cloudに移行させようとしている。Salesforceの金融サービス部門ジェネラルマネージャーRohit Mahna氏は、同社の水平型アプリケーションから、特定業界向けクラウドに移行する企業が増えていると述べている。
Transamericaは、これまで複数の顧客システムを持っていたが、Salesforceのサービスを使って、アドバイザー、代理人、および顧客を1つの顧客プラットフォームに集約する。システムの移行戦略はDeloitteの支援を受けて策定されたという。Salesforceは、主だったウェルスマネジメント企業や、米国や欧州の主要な銀行を顧客に持っている。
Transamericaの狙いは、複数のチャネルにまたがる顧客の情報を一つに結びつけることだ。

またSalesforceによれば、同社の人工知能プラットフォーム「Einstein」を用いた可視化ツールは、金融アドバイザーが関係グラフとクライアントの情報を結びつけるられるように設計されているという。この関係グラフを利用することで、アドバイザーは家族関係やクライアントの状況をより総体的に把握できる。

現在金融サービス業界には、多くのトレンドが押し寄せている。Salesforceによれば、その中でも重要なのは、今後30年間で米国のベビーブーマー(51歳から69歳の世代)が所有する6兆ドルの資産の所有者が変わることだ。これらの運用資産に将来何が起こるかは、まだ明らかになっていない。今後金融サービス企業は、人々の関係性をより重視し、人工知能やその他の技術を使って顧客とのつながりを作っていく必要に迫られることになる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。