アズビル金門など7社は3月30日、福岡市で長距離無線通信「LoRaWAN」を活用した実証実験を4~7月に進めると発表した。
LoRaWANは、省電力広域(Low Power Wide Area:LPWA)ネットワーク規格の1つ。10キロメートルを越える長距離の無線通信を低消費電力で実現できる。広範囲に配置されたセンサなどからのデータを低コストで収集可能で、IoT活用の際に課題となる、電源確保や通信距離の問題を解消すると期待されている。
福岡市は、実証実験フィールドの調整や提供などの面で連携、協力。福岡市西区にLoRaWANでネットワークを構築し、ガスや水道のメーターからデータを収集する。
通信性能を検証し、実用化に向けた課題点を洗い出す。河川の水位や大気環境のモニタリング、多機能通知ボタンなども検証する。通信機能を持ち、ゴミの蓄積状況をリアルタイムで把握できる「スマートゴミ箱」の多面的活用も検証する。
アズビル金門、グリーンハウス、セムテック・ジャパン、東京エレクトロンデバイス、日本IBM、Braveridge、菱電商事が実証実験に参加する。
アズビル金門はガスメーターや水道メーターを、グリーンハウスはLoRaWANのセンサデバイスをそれぞれ提供。セムテック・ジャパンはLoRaWANの技術的に支援する。
東京エレクトロンデバイスはデバイスモジュールの検証を担当。日本IBMは「LoRaWAN for Watson IoT ソリューション」を利用し、IoT基盤となる「Watson IoT Platform」「IBM クラウド」の利用を支援する。
Braveridgeは独自開発の「LoRaWAN&BLE モジュール」と「LoRaWANスタック on BLE スタック」をもとにエンドデバイス製品を開発、製造する。菱電商事はゲートウェイを中心としエンドトゥエンドで検証し、トータルソリューションを提供する。