Microsoftによると、「Microsoft Edge」ブラウザを実行しているPCのバッテリ持続時間は「Firefox」を実行している場合よりも77%、「Google Chrome」を実行している場合よりも35%長いという。
Microsoftは米国時間4月11日、この主張を裏付けるためのタイムラプス動画を公開した。同社はバッテリで駆動している3台の「Surface Book」上でそれぞれChromeとEdge、Firefoxを実行し、長時間にわたってストリーミング動画を再生するという比較実験を実施した。
その結果、Edgeが動作するSurface Bookのバッテリ持続時間は12時間31分だったのに対して、Chromeのそれは9時間17分、Firefoxのそれは7時間4分だった。
提供:Microsoft
Microsoftは2016年6月にも類似の動画を公開しており、その際にもEdgeが他のブラウザを圧倒していた。Googleはこれを受けて、Chromeのバッテリ持続時間の向上をアピールする動画を公開した。
自社に有利な条件下での実験ではないことを示すため、Microsoftはテスト環境の詳細を公開している。比較実験に使用したデバイスは2.5GHz駆動の「Intel Core i5-6300U」プロセッサと、8Gバイトのメモリ、「Intel HD Graphics 520」GPUを搭載したSurface Bookだ。
また、同デバイス上では「Windows 10 Pro」の「Build 15063.0」すなわち「Creators Update」が稼働し、ブラウザはそれぞれ「Microsoft Edge 40」と、64ビット版の「Google Chrome 57」、32ビット版の「Firefox 52」を使用した。これらブラウザはいずれも最新のバージョンだった。
Microsoftによると、それぞれのデバイスでは同一の「現実的な」ユーザー設定を採用したものの、テスト結果に影響を与える可能性のある一部の主要なタスクは無効化したという。また、ディスプレイの輝度は75%に、ボリュームはミュートに設定し、位置情報やBluetooth、アップデート、環境光センサは無効化したとしている。そして、「Quiet Hours」(通知停止の時間設定)は有効化し、各デバイスはワイヤレスネットワークに接続するとともに、「Windows Defender」は実行中だったという。さらに、Windowsの「Battery Saver」(バッテリセーバー)モードは20%で起動するように設定し、各ブラウザのキャッシュはあらかじめクリアしておいたという。
Microsoftによると、Edgeのバッテリ性能の向上は「『Adobe Flash』ではなくHTML5を採用したコンテンツの推奨により、iframeの効率向上と、ヒットテスト(カーソルなどの座標が画面上の特定領域内にあるかどうかを判定するテスト)の最適化がもたらされた」結果だという。
Edgeは、今回のCreators Updateで応答性やパフォーマンスが向上したほか、複数の機能がアップデートされている。
Googleは、Chromeの「V8 JavaScript」エンジンの「現実世界における」パフォーマンス向上の成果を「Speedometer」を使用したブラウザベンチマークで示して見せている。Microsoftによると、Edgeも過去2年間で同ベンチマークのスコアを2倍に引き上げているという。
さらに、新しいEdgeはVRヘッドセットを通じたウェブの利用を可能にする「WebVR」や、W3Cの提唱するウェブ決済規格である「Payments Request API」、ウェブを活用したリアルタイムコミュニケーションを実現する「WebRTC」、ウェブ認証規格である「Web Authentication」、ウェブ向けの新たなバイナリフォーマットである「Web Assembly(wasm)」といった、ウェブの未来に向けた数々の重要なテクノロジも採用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。