元Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏が手掛けた最新のベンチャーである「USAFacts」のベータ版が公開されている。これは米国政府の行政情報リポジトリだ。
米国時間4月18日(米国連邦政府の確定申告締め切り日)にオープンしたUSAFactsのサイトでは、このプロジェクトの目標を次のように説明している。
USAFactsは、米国の人口、政府の財務状況、社会に対する政府の施策の影響をデータで示す新しい試みです。このプロジェクトは特定の党派に属さない、市民による非営利の取り組みであり、政治課題や経済的な動機を持ちません。このプロジェクトは、無料の公的サービスとして情報を提供し、将来にわたって維持、拡大していくことに努めます。
Ballmer氏はGeekWireの取材に対して、構築にあたっては、基盤技術に「Microsoft Azure」と「SQL Server」を利用したと述べているが、同氏の経歴(およびMicrosoft株の保有状況)を考えればそれも不思議ではない。サイトで提供されている情報には、70以上の連邦、州、地域政府が提供するデータが含まれる。サイトには、データの収集と提供に用いた手法も掲載されている。
Ballmer氏によれば、USAFactsではリポジトリのバックエンドに.NETで構築したREST APIを使用している。またフロントエンドには、ReactとVictory(Reactのデータ可視化ライブラリ)が使用されている。USAFactsのチームは、最終的にはMicrosoftのデータ可視化ツール「Power BI」のサポートを追加して、データを自分で操作してみたいユーザーが、独自のデータセットを作成組み合わせて、可視化できるようにすることを考えているという。
現時点では、USAFactsのウェブサイトと年次レポート、レポートの概要、そして株式公開企業が米証券取引委員会に提出する年次財務報告書「10-K」をモデルにした、政府版の「10-K」が提供されている。このプロジェクトの目的は、米国の政府がどこからお金を得て、どこにお金を使っており、その結果がどうなったかを示すことだ。
Bloombergが2016年11月に、Ballmer氏のUSAFactsに関する計画を記事にした際には、「Steve Ballmer氏のExcelを使ったアメリカを再び偉大にする計画」と記した。
Ballmer氏と25人の「データギーク」たちは、30年分以上の行政文書を詳細に調べ、米連邦政府の支出データベースを作った。この作業には、多数のExcelファイルやPowerPointのスライドを分析することも含まれていた。数字を重んじ、数学を得意とする(同氏は数学の大学進学適性試験で満点の800点を取っている)元Microsoftの経営者にふさわしい仕事と言えるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。