Microsoftは米国時間5月10日より開催されている「Build 2017」カンファレンスで、多くの新しいコグニティブサービス用APIを発表した。
同社は開発者に対して、すでに使っているツールに加えて、これらの新しいAPIを使うことで、開発中のアプリケーションに素早く、簡単に、カスタマイズしたAIを追加できることを印象づけようとしている。
Microsoftによれば、「Microsoft Cognitive Services」は現在、60カ国の56万8000人を超える開発者に利用されているという。Cognitive Servicesには現時点で29種類のAPIが存在しており、そのうち10種類以上がすでに一般公開されている(その他のものはプレビュー段階にある)。
5月10日には、「Bing Custom Search」「Custom Vision Service」「Custom Decision Service」が新たに追加された。これらのインターフェースを利用すれば、Microsoftが提供するアルゴリズムでデータを処理して、ユーザーのニーズに合わせたサービスを作ることができる。
また、新たにパブリックプレビューとして公開されたインターフェース「Video Indexer」は、映像コンテンツに対するタグ付け、オブジェクト認識、感情分析などを可能にするものだ。
Microsoftはまた、5月10日付けで「Cognitive Services Labs」を発表した。この試みは、ユーザーが開発の初期段階にある新しいコグニティブサービスをテストできるという点で、同社の技術インキュベータープロジェクトである「Microsoft Garage」に似ている。
新しいCognitive Services Labsのプロジェクトの例には、ジェスチャーで制御を行うためのAPIである「Project Prague」などがある。このプロジェクトは現在、プライベートプレビューの段階にある。「Project Nanjing」は、交通経路の最適化を行うために、レコメンデーションに基づいて、等時線(時間および距離)を計算する企業向けのAPIだ。「Project Johannesburg」は、地図に関する詳細な条件に基づいて、配送経路を計算することを可能にする。「Project Cuzco」のAPIは、Wikipediaのエントリに関連するイベントを発見してくれる。「Project Abu Dhabi」は、経路最適化のための移動時間計算APIだ。「Project Wollongong」はある地点のさまざまな娯楽施設への近さを評価する機能を持っている。
Cognitive Servicesとボットは、どちらもMicrosoftの人工知能戦略、あるいはより狭義の「会話プラットフォーム」(Conversation as a Platform)戦略の一環だ。MicrosoftのCognitive Services APIは、「Microsoft Bot Framework」で利用しやすいように作られている(ボットとは関係のないシナリオで使うこともできる)。MicrosoftのCognitive Servicesと同じく、ボットでも話し言葉や書き言葉、視覚を利用することができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。