HPEはOpenStackをあきらめていなかった--Helion OpenStack 5.0発表

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部 2017年05月15日 15時51分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 もし、HPEがクラウド事業から離れようとしていたとあなたが考えていたとしても、私はあなたを非難することはできない。HPEは2015年の後半に、OpenStackベースのパブリッククラウドである「Helion」事業から撤退したのである。

 今年の初めには、HPEに在籍していたすべてのOpenStack開発者はSUSEに移籍した。HPEはクラウド、特にOpenStackに注力し、結果として別れを選んだのかーーいや、そう考えるのは早計だ。

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)は先週、マサチューセッツ州ボストンで開催された「OpenStack Summit」で「HPE Helion OpenStack 5.0」を発表した。

 このIaaSクラウド製品は「OpenStack Newton」のコードベースに基づいており、厳密なかたちでAPI標準やサービスに準拠している。OpenStackのオープンAPIは、OpenStackが数多くの企業に普及している重要な一因であるため、この点は決して軽視できない。

 とりわけHelion OpenStack 5.0は、企業に浸透しているハイブリッドインフラの中核にプライベートクラウドを据えることを念頭に置いて設計されている。企業はこのプライベートクラウドをハイブリッド計画の基礎にすることで、既存のデータセンターやサーバ、アプリケーションを最大限に活用しつつ、パフォーマンスや経済性の向上とともに、製品化に要する時間の短縮を図るためのアジリティや信頼性を高められるようになる。要するに、旧来のIT世界と新たなIT世界の最も優れた部分を組み合わせられるようになるというわけだ。

 Helion OpenStack 5.0の売りは、OpenStack Newtonをベースにしたアップデートであるという点だ。これによって、より高いスケーラビリティと復元性を実現するとともに、より幅広いワークロードをサポートできるようになる。また、ネイティブなコンテナオーケストレーション機能が搭載される点は特筆に値する。具体的には「Docker」や「Kubernetes」「Apache Mesos」に基づいたセルフサービスコンテナを実行できるようになる。

 加えて、新たなベアメタルのマルチテナントネットワーキングによって、複数のユーザーがOpenStackリージョンをセキュアなかたちで共有できるようになる。またシステム管理者は、リージョン内でベアメタルなコンピュートノードと仮想化されたコンピュートノードを混在させられるようになる。これにより、テナントのネットワーク間での通信も可能になる。さらに、新たなHelionでは、「Ceph」をベースにしたSUSEのオブジェクトストレージが統合されてもいる。

 この新しいHelionは、HPEの開発チームを獲得したSUSEが生み出した最初の成果だ。SUSEの製品管理とクラウド、システム管理の責任者であるPeter Chadwick氏はOpenStack Summitにおいて、「SUSEはさまざまな力、すなわちHPEのライフサイクルとスケーラビリティ、SUSEの初期セットアップを融合することで、最高のOpenStackディストリビューションを作り出そうとしている」と筆者に語った。

 OpenStackをインストールし、メンテナンスしていくことに不安を感じているだろうか?HPEはこういった部分で人々の力になるとともに、同社の「HPE Pointnext」で収益を向上させていこうとしている。

 HPE Helion OpenStack 5.0の一般提供は、2017年夏に開始される予定だ。HPEの製品マーケティングマネージャーであるBrian Besand氏は同社ブログに、「HPEはOpenStackにコミットし続ける。われわれは企業がITサービスを実現する方法を変革するためのソリューションと専門性を有している」と記している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
展望2017
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算