調査

オープンバンキングの推進迫られる銀行--Capgemini - (page 2)

Asha McLean (ZDNet.com.au) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-06-30 07:30

 レポートでは、「FinTech企業は、得意領域を見つけることに成功しており、競争力が高く、魅力的で、使いやすいサービスで顧客を魅了している」と説明されている。

 「この新たな競争相手は、摩擦のない優れた顧客体験の提供を目指して高度な技術を導入しており、レガシーシステムに足を引っ張られることもない」

 北米では、FinTech企業の顧客のうち57.8%が肯定的な体験を得ているのに対し、従来型の銀行では49.5%だった。また、銀行顧客の29.4%が、FinTech企業の製品やサービスを使い始めているという。

 レポートによれば、FinTechサービスの利用にもっとも積極的なのは若い世代で、特に中国やインドなどの新興経済国では、23~36歳の顧客の半数以上が、非従来型の金融サービス企業と関係を持っている。これは世界的に見て、もっとも高い比率だ。

 Capgeminiはその結果、ビジネスの進め方として、規模の大小にかかわらず、金融機関の間でパートナーシップを結ぶことがあたりまえになると予想している。銀行の91.3%、FinTech企業の75.3%が、将来互いに協力することを予想している。

 「非従来型の金融サービス事業者は多くの強みを持っているが、銀行にも顧客ベースの大きさ、リソースの獲得手段、顧客からの信頼などを含む、多くの利点がある」と同社は説明している。

 英国の銀行は、2018年までにAPIを公開して、競合する企業やスタートアップ、その他の金融機関が顧客情報にアクセスできるようにすることを実質的に義務づけられる(ただし、顧客の同意が前提となる)。オーストラリアでも、代議院(下院)の経済常設委員会が同様の取り組みを進めようとしている。

 2016年11月に提出された同委員会のレポートでは、銀行に対して、サードパーティーに向けた顧客や小規模企業に関する情報へのオープンアクセスの提供を義務づけることを推奨している。

 情報のセキュリティとプライバシーは確保され、提供されるデータには顧客の取引履歴、口座残高、クレジットカード利用状況、住宅ローンの返済状況などが含まれる見込みだ。

 同委員会はまた、情報共有や、APIの利用、このような慣行を可能にするための適切なプライバシー保護手段の確保を促進するフレームワークの策定を、オーストラリア証券投資委員会に担当させることを提案している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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