これまでクラウド実装の運用手段は、オンプレミスはそのままで、新しいプロジェクト、アプリケーション、あるいはワークロード全てに「クラウドファースト」を適用することだった。つまり、オンプレミスシステムが次第に減少するのに応じて、クラウドの採用は増加する。そのため、クラウドファーストが生成するワークロードやシステムの数がオンプレミスシステムのそれを上回るのはそのタイミングの問題だ。
提供:Joe McKendrick
2つの調査から、クラウドネイティブの比率は5分の1に近づきつつあると言えそうだ。Cohesive Networksが100人のIT管理者を対象に行った調査によると、ワークロードの半分以上が「クラウドネイティブ」であると回答した企業は全体の18%にのぼった。これは「新しいエンタープライズITアプリケーションの15%がクラウドネイティブ」という、Capgeminiが902社を対象に行った調査の結果と近い。
今後少しずつオンプレミスシステムが置き換えられ、さらに多くのアプリケーションやワークロードがクラウドで生まれるだろう。「企業は、既存のデータセンター機器の耐用年数が終わりを迎えるまで、既存のアプリケーションをクラウド環境に適用させるのを待っている」とCohesiveの調査は示している。だが、クラウドへの移行は迅速に進んでいる。Capgeminiは、企業におけるクラウドネイティブ実装の比率は今後3年で32%に拡大すると予想している。
クラウドへの動きを加速させることで企業はメリットを得られる。新しいアプリケーションやシステムを稼働させることに関して先進的な企業は、「アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)の収益化ではるかに先行している」とCapgeminiは記している。クラウドネイティブに関して先進的なグループの84%が、クラウドネイティブのアプリケーションおよびシステムに移行することは、「売り上げを増やし、運用コストを下げるのに役立っている」としており、「83%の企業が、財務面での業績では競合に優位に立っていると報告している」という。
創業時から全てをクラウドで行っているスタートアップでなければ、クラウドネイティブへの移行は簡単なことではない。「クラウドネイティブ戦略を導入するにあたっての障壁は高い」とCapgeminiのレポートは指摘している。最大の難題となっているのは、クラウドネイティブアプリケーションへと飛躍を遂げるための適切なスキルを見出し、育成することであり、IT企業幹部の70%がこれを課題に挙げている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。