海外コメンタリー

「クラウドネイティブ」な企業に生まれ変わる8つのステップ

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-07-05 06:30

 「クラウドネイティブ」な企業になるというアイデアは、昨今とても魅力的に聞こえるものの、実際にそのような企業になるには考え方を根本から変えるとともに、本格的に取り組む必要がある。Capgeminiは最近、902人のIT幹部を対象として、クラウドネイティブへの取り組みに関する調査を実施し、興味深い内容をレポートとして公開した(この調査の結果については筆者の別の記事を読んでほしい)。

 このレポートには統計値に加えて、クラウドネイティブという道に進んでいこうとする企業が手始めにするべきことについての指針も記されている。新興企業、すなわち小規模な情報集約型企業であれば、既にクラウドが事業の基盤となっている可能性ももちろんあるだろう。しかし歴史の長い企業では、どの部分でクラウドを選択するのが適切であるかや、クラウドに舵を切る、あるいはそうした取り組みを推進するうえで、どのような手順が必要となるかについて改めて検討する必要があるはずだ。Capgeminiは以下のアドバイスを提示している。


提供:Joe McKendrick

#1:アジリティを追求する

 同レポートには、クラウドネイティブな企業になるということは、「テクノロジの採用という観点よりもむしろ、新たなスキルを醸成し、従来の規範やプラクティスを変革するという観点で語られるものだ」と記されている。そしてこれには、「アジャイルな継続的開発を高く評価する文化や、コラボレーションを促進するオープンな風土、社内外を問わずさまざまなパートナーから提示された新たなアイデアに対する受容性」を積極的に取り入れることが含まれるという。もちろんこれは、言うは易し、行うは難しだが、こういった方向に進んでいく必要がある。

#2:DevOpsを推進する

 同レポートには「DevOpsはクラウドネイティブな開発を実現するための欠かせないイネーブラーだ」と記されている。しかし、DevOpsという手法を採用するには、IT運用を考え直すだけではなく、変更作業を実施しつつ運用を継続するための要件を考え直す必要がある。「DevOpsは文化的な変革であるとともに、テクノロジ面でのムーブメントなのだ」という。

#3:必要なスキルを獲得する

 不可欠なスキルには、「PaaS上でマイクロサービスアーキテクチャを運用し、テストとプロビジョニング、配備の自動化を実現する」能力が含まれる。またITチームは「クラウドネイティブの価値を、企業幹部や業務部門に対して、相手が理解できる言葉でうまく説明できるようになる必要がある」という。

#4:ROIにとらわれすぎない

 オンプレミスのシステムに対する何年にもわたる投資から目をそむけ、クラウドベースの新たなアプリケーションを採用するという意思決定は、投資対効果という点で説得力に欠ける場合もあると、同レポートの著者らも認めている。しかし大局的な観点に立った場合、ビジネス上の柔軟性や競争力の向上につながるという利点が見えてくるはずだ。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. クラウドコンピューティング

    生成 AI の真価を引き出すアプリケーション戦略--ユースケースから導くアプローチ

  3. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  4. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  5. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]