Gartnerが米国時間6月15日に発表した最新の調査結果「Magic Quadrant for Cloud Infrastructure as a Service」(クラウドIaaSのマジック・クアドラント)によると、Amazon Web Services(AWS)とMicrosoftが他社を圧倒している。一方、Googleが重要な挑戦者として台頭してきている。
Gartnerのマジック・クアドラントはPaaSやSaaSではなくIaaSに焦点を当てている。IaaSは、オンデマンドでサービスプロバイダーがストレージやコンピュート、ネットワークを提供する、標準化され、高度に自動化されたサービスと定義されている。
クラウドIaaSに関するマジック・クアドラント
先頭を走る上位2社に驚きはないだろう。四半期毎に業績の概要を発表している数少ない企業のうちの1社であるAWSは、多数の法人顧客とユースケースを有している。GartnerはAWSが「戦略的かつ全社的な導入の選択肢として、最も一般的なものになっている」と記している。AWSの難点は、同社のサービスを導入するには専門的な知識が必要になる点と、価格体系が複雑に感じられる場合がある点だ。
「Microsoft Azure」は、クラウドへの精通度がさまざまな、広範囲の顧客にアピールしている。Gartnerによると、Azureには多様なワークロードを取り扱える、幅広い選択肢が用意されている。またMicrosoftは、ただIaaSプロバイダーというよりはむしろ、法人向けの戦略的クラウドパートナーとして見られている。GartnerはAzureのサービス経験やサポート、ドキュメント、訓練が難点だとしているが、ここ1年でそのサービスは大きく向上してきている。
Gartnerは「Google Cloud Platform」について、少し距離を離された3位ではあるが、クラウドネイティブな企業向けの優れた選択肢であると評している。また、Googleのポータビリティと、イノベーションの原動力を高く評価してもいる。一方で、Googleはしばしば予備的なプロバイダーであり、AWSの代替として見られているという。Googleはアナリティクスと同社のエコシステムに大きく投資してきているため、将来的に大きく伸びるはずだ。
IBMについて述べると、GartnerはIBMが現在リエンジニアリングを進めている「IBM Bluemix Infrastructure」(旧称「SoftLayer」)に着目している。またGartnerは、IBMが2013年にSoftLayer Technologiesを買収して以来、そのインフラを大幅には改善していない点も指摘している。
目が離せないクラウドプロバイダーとしてAlibaba Cloudも挙げられる。同社はIaaS分野の先頭集団を猛追している企業だ。Alibaba Cloudは中国における重要なプレーヤーであり、現在のサービスが将来における大きな可能性を示しているとGartnerは述べている。ただ、中国国外での実績はあまりないのが現状だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。