エンタープライズ市場でクラウドの利用が主流になりつつあることは不思議ではない。実際、HyTrustが最近実施した調査によれば、組織の75%がさらに多くのシステムをパブリッククラウドに移行する計画だ。しかし驚くべきは、それらの組織がどのパブリッククラウドを選択しようとしているかということかもしれない。
売り上げの観点から言えば、現時点のパブリッククラウド市場のマーケットリーダーが「Amazon Web Services」(AWS)と「Microsoft Azure」であることに議論の余地はなく、AWSは2位以下に大差を付けて首位に立っている。これにさらにIBMとGoogleが加わって、トップ4を形成している。しかし、HyTrustの調査によれば、市場に決定的な変化が起きつつあるようだ。
運用するクラウドにどのプラットフォームを選択するつもりかを尋ねる質問への回答のトップ3は、次のようになった。
- Microsoft Azure - 32%
- VMware vCloud Air - 24%
- AWS - 22%
金融業や製造業の回答者の多くは、Azureを選択した(それぞれ43%と50%)。一方、AWSを好む業界は、情報調査分析(33%)、医療および生命科学(29%)、テクノロジ企業(18%)だった。
多くの古くからある組織にとっては、クラウド(特にパブリッククラウド)はまだ比較的新しい領域だ。このため、エンタープライズ市場の企業の多くは、パブリッククラウド技術とプライベートクラウド技術を併用するハイブリッドクラウドをこれから利用し始める段階にある。これこそMicrosoft Azureの真の潜在能力が発揮される分野であり、それがこの調査結果に影響しているのかもしれない。
Microsoftはパブリッククラウドとプライベートクラウドの両方を扱っており、エンドツーエンドの真のハイブリッドクラウドを選択肢として提供している、数少ないクラウドベンダーの1つだ。AWSとGoogleにもハイブリッドクラウドのソリューションはあるが、プライベートクラウドの要素については、サードパーティーにアウトソースしている。それに加え、Microsoftの名前はエンタープライズ市場では重要な意味を持っており、そのことも過小評価できない。
またこの調査では、クラウドに加えて、ソフトウェア定義データセンター(SDDC)とその関連技術の拡大についても対象としている。同調査によれば、回答者の90%が、適切に策定されたSDDC戦略とその導入は「企業の業績に大きな影響をあたえる」可能性があると回答している。しかし、どうすればSDDCを適切に導入できるのだろうか。回答者の90%は、SDDCの成功には自動化が鍵になると答えている。
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