東京都あきる野市は、災害対策の一環としてドローンを使った被災地域の状況確認や空撮データ取得、物資搬送の訓練を実施した。無人自動空撮システムを提供しているDJIが6月30日に発表した。
あきる野市では、無人航空機の安全かつ有効な活用を促進するべく、2016年3月からDJIの災害対策を用いた防災活動に取り組んでいる。
山間地域で土砂災害や河川の増水などによる水害が発生した場合、車両や人員が近づくことが難しい現場が多くある。そこで同市は、ドローンの機体制御アプリ「GROUND STATION PRO(GS PRO)」などから構成される災害対策ソリューションを利用している。
DJI GS PRO(出所:DJI)
GS PROは、機体の自動飛行を制御または飛行計画を作成できる。操縦者の習熟度に依存することなく、安全な場所からドローンを飛行させることができる。そのため、豪雨により川が増水し、中州などに人が取り残された場合、ライフジャケットやロープなどの救助用具をドローンで搬送することで、救助者側の二次災害を防げる。
これまで、災害の被害状況調査には多くの人員や機材、時間が必要で、ドローンを活用する場合も自分で飛行高度や撮影間隔を計算する必要があった。同社の災害対策ソリューションでは、あらかじめ飛行ルートと撮影場所を設定しておけば、ドローンが撮影現場の状況を撮影し、空撮データをもとに3Dモデルを作成できる。これにより、地滑りの瞬間のシミュレーションや土砂の計量まで可能になり、正確な状況確認を安全かつ迅速に実行できるとしている。