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今週の明言

金額換算を期待したい環境経営の成果や予測

松岡功

2017-07-14 11:00

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、NECの大嶽充弘 執行役員常務と、KPMGコンサルティングの平野宜敬 シニアマネージャーの発言を紹介する。

「自社の事業活動に伴うCO2排出量を2050年までに実質ゼロにする」
(NEC 大嶽充弘 執行役員常務)


NECの大嶽充弘 執行役員常務

 NECが先頃、環境経営の取り組みについて記者会見を開いた。大嶽氏の冒頭の発言はその会見で、同社が策定した「2050年を見据えた気候変動対策指針」で打ち出した目標について語ったものである。

 大嶽氏はまず、2050年の地球と世界の潮流について、「都市人口が現在の1.8倍になるのに伴い、人やモノの動きもそれぞれ2.0倍、2.4倍になる。また、エネルギー需要が1.8倍になる一方、温室効果ガスが1.5倍になる。そして食糧や水の需要がそれぞれ1.7倍、1.6倍に膨らみ、これらの不足や自然災害の増加が大きな社会問題になっていく」と説明した。

 こうした予測を踏まえ、NECでは環境経営の取り組みの一環として、2050年を見据えた気候変動対策指針を策定した。この指針は、1つ目に「サプライチェーンからの二酸化炭素(CO2)排出量ゼロに向けた削減」、2つ目に「サプライチェーンでの気候変動リスクへの対策徹底」、3つ目に「世界が目指す低炭素社会の実現」、4つ目に「気候変動リスクに強い安全・安心な社会の実現」といった内容で構成されている。

 とりわけ、1つ目の内容において第1項目に掲げられているのが、大嶽氏の冒頭の発言にある「自社の事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロに」である。その具体策として同氏は、「最新・最先端の省エネ技術によるエネルギー使用量の削減」「再生可能エネルギーの導入拡大」「カーボン・オフセットの活用」の3つを挙げた。(図参照)


NECが「2050年を見据えた気候変動対策指針」で打ち出した目標

 こうした長期計画も打ち出すほどに、NECの環境経営への取り組みは積極的で、実際にこれまでも確固たる成果を上げてきているが、だからこそ筆者は聞いてみたいことがあった。それは、環境経営の成果や予測を売上高やコストといった金額で示すことができないか、である。そうすれば、環境ビジネスという視点で切り出せるだろうし、他との比較もしやすくなるはずだ。

 会見の質疑応答でこうした点を聞いてみたところ、大嶽氏は次のように答えた。

 「環境への取り組みはあらゆる分野に関係しており、金額に換算できるボーダーラインをどう引くかは非常に難しいところがある。ただ、当社としても環境ビジネスの視点はかねてより持っており、売上高やコストとしてどう提示できるか、については引き続き検討していきたい」

 環境経営の取り組みは、コストばかりでなくプロフィットもしっかり生み出す体制が必要ではないか、と筆者は考える。NECにはぜひともその先陣を切ってもらいたい。

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