Intelが7月11日に正式ローンチした最新のデータセンター向けプロセッサ「Intel Xeon Scalable」で、同社はクラウド、AI時代を見据えた戦略を打ち出している。IntelでAI戦略を統括するNaveen Rao氏が、ローンチ会場の米ニューヨークで記者向けに説明した。
Rao氏はIntelが2016年に買収したNervana Systemsの最高経営責任者(CEO)を務めていた人物。Intelは3月にAI製品グループを新設しており、Rao氏はこの事業グループを率いている。

IntelでAI戦略を統括するNaveen Rao氏
現在、IntelのAI分野の取り組みは、Rao氏をはじめNervanaのメンバーが中心となっているという。買収により Nervanaの技術ロードマップはIntelに統合されることになっており、現在技術統合を進めているところだという。Intelは2016年11月、ニューラルネットワーク向けに最適化した「Lake Crest」(開発コード)と、Skylake XeonとFPGAを組み合わせた「Knight Crest」を発表している。
IntelのAI戦略の大きな柱となるのは、AI向けの特別なシリコン製品の開発と汎用コンピューティングプラットフォームの活用だ。両方の間を簡単に行き来できるソフトウェアスタックを用意する。「AIは多くの企業にとってまだ新しい技術。価値が実証されていないため、AIワークロードがどのぐらいの比率を占めるのかがわからない段階だ」とRao氏は背景を説明する。
「Intel Scalableは汎用目的であり、その上でソフトウェアベースでAI機能を利用できる。AIによる価値が実証されはじめると、次はAI専用のインフラに投資できる」とRao氏。「IntelはAIの早期段階から高度に最適化されたシステムまでサポートする」と続けた。
Lake CrestとKnight Crestについては、「深層学習、ニューラルネットワークを主なワークロードのターゲット」と説明する。この分野ではNvidiaなどのGPUがリードしている感があるが、Rao氏はCPUの重要性を強調する。「GPUはグラフィック向けに構築されているが、Lake Crest/Knight Crestは深層学習に向けて構築する。詳細は公開していないが、全く新しい新しいメモリ階層を持ち、数値演算ワークロードに最適」とした。
CPUが優れている分野としてRao氏が挙げたのが「推論」だ。