AI進化の影響は大きい--インテルのAIトップが語る - (page 2)

末岡洋子

2017-07-21 07:30

 AIでは、1)固定データセットを利用したソリューションのトレーニング、2)新しいデータを利用した推論の2つがあり、2)では「Intel Xeonが使われることが多い」とRao氏。実際、ウェブサービスなどこれまでのワークロードに加え、推論での利用は増えており、「ワークロードのシフトはすでに起こっている」とRao氏は述べた。なおIntelは、AIワークロードを動かすデータセンターサーバの自社シェアを97%としている。

 「GPUはあくまでもポイントソリューションに過ぎない。GPUはCPUを必要とする」「トレーニングサイクルではGPUは高性能だが、推論では遅延などの欠点がある」と述べる。市場の認識については、「Lake Crest/Knight Crestの発表やAI関連の買収により、顧客に対してIntelにAIソリューションがあることを示すことができた。顧客のマインドが変化しており、IntelがAIを提供してくれるなら他のベンダーのものを探す必要はない、と安心してもらっている」と分析した。

 AIの進化がIntelのデータセンター事業に与える影響は大きいようだ。

 Rao氏はまず、コンピューティングの歴史の中での位置付けを、次のように説明した。「コンピュータはツールであり、これまで計算の自動化のためのツールとして構築してきた。この意図は実現できており、次はデータから意味を見出すためのツールとして進化する」。企業は既にストレージインフラにたくさんのデータを保存しており、これを活用することが今後5年ー10年のフォーカスになるという。

 最初に反復の多い作業で使われ、人間よりも高速に効率よく拡張性のある形で作業をこなす。「今後2〜3年でツールが成熟して標準化されるだろう。1990年後半のインターネットと同じような状態だ。ハードウェアの価格が下がり、インフラが手に入りやすくなり、ツールが増えることで現在難しいタスクも5年もすれば難しくなくなる」とした。

 具体例として、パーソナライズ医療、患者のモニタリングによる予防的治療など多数の事例が考えられるヘルスケア、自動運転、産業ロボットなどを挙げた。

 一方でAIが雇用を奪うことについては、今後20~30年では考えにくいとした。「AIの専門家が足りない。むしろ雇用を創出しているのではないか」とRao氏。AIにつきまとう危惧や恐れの大きな要因として、「イノベーションのペースが速くなっており、人間が追いつくことができるのかが恐れにつながっている」と分析した。「技術の問題というより、政治や社会の問題と言える」。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    【マンガ解説】まだ間に合う、失敗しない「電子帳簿保存法」「インボイス制度」への対応方法

  2. ビジネスアプリケーション

    きちんと理解できていますか?いまさら聞けないインボイス制度の教科書

  3. 運用管理

    AWS、GCP、Azureを中心としたクラウドネイティブ環境における5つのセキュリティ強化策

  4. セキュリティ

    マンガでわかる―Webサイトからの情報搾取を狙うサイバー攻撃「SQLインジェクション」、どう防ぐ?

  5. セキュリティ

    緊急事態発生時にセキュリティを維持するための8つの戦略と危機管理計画チェックリスト

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]