コミュニケーション改革
ファシリティを改革してフリーアドレスになり、リモートワークが進んだ結果、従来型のface-to-faceのコミュニケーションだけでは対応できず、期待するスピード感を満たせないと感じることが増えてきました。
このため、コミュニケーションツールについても見直し、2014年8月に全社で企業向けチャット「Slack」を導入することにしました。社内メールは原則として禁止し、全てのコミュニケーションをSlackに寄せることにしたのです。
2014年当初にSlackを選定したときの「選定の基準」以下でした。
- 原則「オープン」:一般的なチャットツールなどは、基本的に「ルーム」と呼ばれる秘密の部屋を作り、そこに入れても良い仲間を招待するという「クローズ」が原則です。これに対してSlackは、「チャンネル」と呼ばれるオープンな場所で議論をし、出入りも自由です。リモートワークやフリーアドレスなど顔を合わせる機会が減る分、コミュニケーションはオープンにした方がよいと考えました
- 他のクラウドと連携できる:リモートワークを進めるためにはさまざまなクラウドを使うことになりますが、そうしたクラウド間の連携ができる点もSlackの魅力です。会社のウェブフォームから送られた問い合わせをSlackで受け取ったり、オンラインストレージのBoxやCRM(顧客関係管理)のSalesforceとも連携できます
- 使っていて楽しい:実はこれが一番大切かもしれません。LINEでもスタンプ機能が楽しいように、Slackでも絵文字を自作して運用できます。既に1000個を超える絵文字が作られ、フランクなコミュニケーションを支えています。さまざまな操作が軽快で、かつキーボードでも操作できる点もエンジニアのハートもキャッチしているようです
新しいはたらき方の新しい課題
このように、「リモートワーク」「昼寝もできるファシリティ」「チャットによる形式よりも実質を重視するコミュニケーション」を進めた結果、新しい課題も生まれてきました。
それは「評価」です。
後編では、われわれがこうした課題にどのように取り組んだかをお伝えします。
- 大石 良
- 株式会社サーバーワークス 代表取締役。1973年新潟市生まれ 1996年 東北大学経済学部卒業 丸紅株式会社入社後、インターネット関連ビジネスの企画・営業に従事 。2000 年サーバーワークス設立、代表取締役に就任。 「クラウドで、世界をもっと、はらたきやすく」というビジョンを掲げ、企業の業務システムのクラウド移行に注力している。特技はAWS名物となっている「切腹プレゼン」。