Microsoftは、次期「Windows 10 Fall Creators Update」でサードパーティーのアンチウイルスソフトに対するサポートを改善すると表明した。Kasperskyは、欧州委員会(EC)やドイツ、ロシアの規制当局にMicrosoftに対する申し立てを行っていたが、これを取り下げ、15日までに決着したもようだ。
この問題は、MicrosoftがWindows 10に同社のWindows Defenderをバンドルすることが、サードパーティーのアンチウイルスベンダーに損害を与えると、Kasperskyが主張していたもの。Windows 10ではメジャーアップデート時に互換性のないアンチウイルスソフト製品の無効化とWindows Defenderへ変更をユーザーに通知するが、Kasperskyは、Microsoftのこうした施策が独占禁止法に抵触する疑いがあるとして、2017年6月までにECやロシア、ドイツの規制当局に相次いで申し立てを行った。
MicrosoftのWindows エンタープライズ&セキュリティ パートナーディレクターのRob Lefferts氏は、9日に公開したブログで、「Kasperskyなどのアンチウイルスベンダーとの連携により、Windowsユーザーの安全性を継続的に確保する方法を共有する」とコメント。具体的には、2017年秋にリリースする「Fall Creators Update」から以下の施策と実施すると表明した。
- Windows製品のアップデートに伴うアンチウイルス製品との互換性の検証に時間を費やす
- アンチウイルスベンダーへWindows 10の機能アップデートに関する情報を事前に提供する
- アンチウイルスベンダーがユーザーに対し、有効期限の前後に独自の警告や通知、更新を提供可能にする
- Windows 10でアンチウイルスソフトの有効期限が切れたユーザーに対し、既存製品を更新するか、その他のソリューションに変更するのか継続的に通知する仕組みを導入する
提供:Microsoft
Microsoftの表明を受けてKasperskyは、Fall Creators Updateからの新たな取り組みを評価し、Microsoftとのサイバーセキュリティにおけるパートナーシップを推進するとの声明を発表。併せて各国での申し立てを取り下げ、15日にロシア当局が事案をクローズしたことで、一連の問題が決着したとしている。