ヌーラボは、自社が開発、提供するビジュアルコラボレーションツール「Cacoo(カクー)」の基盤技術をFlashからHTML5に移行したと発表した。2020年のFlashサポート終了を受け、将来的な機能拡張もしやすくなるとしている。
Cacooは2009年リリース以降、 Flashを採用してきたが、Flashの抱える脆弱性によるセキュリティ面での懸念が指摘されてきた。また2020年には製品サポートが終了するという発表もあり、基盤技術をHTML5に移行する準備を1年以上かけて進めていた。今回完全移行が完了したとのこと。
HTML5について、「Flashに劣らない表現力」「より安定した挙動、強固なセキュリティ」を備えると評価。将来的な機能拡張もしやすくなるとしている。
HTML5 への移行によりユーザーが受ける「エディタ」としての変化はほんんどない。
・Flash 版よりも素早く起動し、少ないメモリで動作する
・Flash 版に比べ、大きな画面や複雑な図でも快適に操作できる
・Flash 版よりもセキュリティに対する不安が少なくなる
また技術基盤変更により、将来的には「図の内容を操作するAPIの提供」や「オフラインでの操作対応」など、これまで実現できなかった機能の実装も視野に入れる。
HTML5版CacooのテストユーザーであるKDDIの大橋衛氏は「現在50人規模で使用しており、設計図やUML図など少し手の込んだ図のほとんどはCacooを利用して作製している。HTML5版のCacooは、直感的な操作の速度が向上した。特に、複数のオブジェクトを選択し、一度に移動させる際のレスポンスの良さはウェブアプリとは思えないほどだ」と話している。