SAPは米国時間8月30日、要員計画ツール「SuccessFactors Workforce Planning」とクラウド財務アプリケーション「SAP RealSpend」の新たな統合を発表した。統合により、企業はスプレッドシートを使って人件費の予算編成をする必要がなくなり、人材と財務に関する意思決定を1年を通じて細かく調整できるようになる。
SAP SuccessFactorsの製品担当責任者であるAmy Wilson氏は、米ZDNetの取材に対して次のように語った。「どの企業にも年間予算があり、その予算を見れば、雇用できる人員数や、売上高と支出の面で目指そうとしている目標が分かる。なかでも人員数は、人件費が支出の大部分を占める現代においては特に重要だ」
SAP SuccessFactorsの要員計画ツールは、戦略的および運用上の要員計画を提示する。戦略的な要員計画が中長期的な事業目標に特に焦点を当てるのに対して、運用上の要員計画は、もっと差し迫った経営状態に対応する。運用上の計画の方がもっと直接的に、RealSpendがもたらす財務情報の可視化からメリットを受けられる。RealSpendは、核となる財務システム「SAP S/4HANA」からデータを引き出す。
「年に1度、計画を策定すれば済む話ではない。場合によっては、年間を通じて、経済状況や市況に合わせて計画を調整し続ける必要がある。例えば、売り上げが低迷する見通しなら、出費を抑えなければならないかもしれない」(Wilson氏)
Wilson氏はさらに、従来のスプレッドシートに基づく要員予算編成をやめれば、情報の安全性が高まり、利用通貨の異なる全世界の従業員のような要因を考慮に入れて、もっと微妙な決定が下せるはずだと指摘する。
統合版は、2017年第3四半期リリースのSAP SuccessFactorsですでに一般提供が始まっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。