Oracleの最高技術責任者(CTO)Larry Ellison氏は米国時間9月19日、クラウドへの移行と、クラウドサービスの活用を容易にすることを目的とした複数のプログラムを発表した。
新しい「Bring Your Own License」(ライセンス持ち込み)プログラムにより、顧客はOracleのPaaS製品上で既存のソフトウェアライセンスを使用できるようになる。これには「Oracle Database」や「Oracle Middleware」「Oracle Analytics」などが含まれている。この新プログラムは、同社のIaaS上で顧客のオンプレミスライセンスを使用できるようにするプログラムと同様のものだ。
同社はまた、クラウドの利用促進に向け、「Universal Credits」というコンセプトも発表した。これにより、顧客は(従量制か月次、年次という単位で)どれだけのリソースを使用する予定なのかを単一の契約でOracleに伝えられるようになる。こういった契約を結ぶことで顧客は、IaaSやPaaSのサービスを含む、そして「Oracle Cloud」や「Oracle Cloud at Customer」を網羅する任意のクラウドサービス上で、そのクレジットを使用できるようになる。さらに顧客は、Oracleに通知することなくサービスを切り替えたり、特定サービスの使用を中止することができ、新たなサービスが利用可能になった際にはそのサービスにクレジットを適用できるようにもなる。
Ellison氏は、「業務契約は事実上、非常にシンプルなものになる」と述べている。
またOracleは最近、完全に自動化されたデータベースを提供するとも発表している。Ellison氏は、これによって人件費と人間系のミスが大幅に削減されると述べている。
同氏は19日、「Equifax(信用情報会社)のデータベースにパッチを適用しなければ、高価な代償を払うことになる」と述べるとともに、「人間系のミスが壊滅的な結果を招くこともある」と続けている。
同氏はこの新プログラムが、クラウド市場で大きなシェアを誇っているAmazon Web Services(AWS)に対抗するための戦略の一部だと語っている。
Universal Creditsプログラムと、PaaSへのライセンス持ち込みプログラムは9月25日から利用可能になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。