大和証券は、顧客ごとの状態変化を予測するモデルを構築、予測結果にもとづいた最適なアクションを営業員に配信する仕組みを実現し、業務効率を向上させた。SAS Institute Japanが9月21日に発表した。
大和証券では、人工知能(AI)などのテクノロジを活用した顧客提案力の強化と業務効率の改善、継続的な顧客満足度の向上を目指し、2015年4月にAI推進室を設立している。
AI推進室では「SAS Analytics」を導入し、商品別の購買予測や顧客離脱予測など、顧客ごとの状態変化を予測するモデルを構築、予測結果に基づいた最適なアクションを営業員に配信する仕組みを作った。
これにより営業員は顧客一人ひとりに最適な商品提案と情報提供が可能となり、業務効率の向上につながっている。取り組みを継続した結果、導入から1年半程で商品購入率2.7倍、離脱率半減などの成果が上がっているという。
大和証券のAI推進室長の長谷川理氏は次のようにコメントしている。
「SAS製品は機械学習をはじめとする分析手法を提供するだけではなく、専門知識がないビジネスユーザーでも簡単に利用できるユーザーインターフェース、そして大容量データを高速に取り扱える処理エンジンも兼ね備えており、それらの要素も採用の大きな後押しとなりました。導入当初はAI推進室だけだったユーザーも、1年半が経つ今では複数の部門に広がっており、今後もさらに拡大する見込みです」
長谷川氏によると、ほぼ全ての金融商品が予測対象として網羅され、顧客の特性や取引状況に応じて、ピンポイントで最適な商品を提案できるようになったとしている。