調査

中堅・中小向け「生産管理」のシェアを鍵を握るのは富士通、大塚商会など

NO BUDGET

2017-09-29 11:26

 ノークリサーチは9月26日、2017年の国内中堅・中小市場における生産管理システムの導入社数シェアとユーザー評価に関する調査結果を発表した。

  • 導入社数シェアは富士通とOSK(大塚商会)が同率で首位に並び、NECがそれに続く状態

     下のグラフは、導入済みの主要な「生産管理」製品/サービス(複数回答可)を尋ねた結果をプロットしたもの。「GLOVIA smart PRONES/MES/PROFOURS」と「生産革新シリーズ」がほぼ同率の導入社数シェアで共に首位となっている。

     また「Factory-ONE電脳工場」はNECによる提案/導入が多い点を踏まえると「EXPLANNER/J」と合わせた時のNECの存在も無視できない。したがって、中堅・中小企業における生産管理の導入社数シェアは富士通とOSK(大塚商会)にNECが続いており、これら3社の動向が今後の注目点となってくる。


  • 同じパッケージでも「社内設置」と「IaaS/ホスティング」では『導入の決め手』が異なってくる

     調査では、運用形態や導入の背景などについても集計している。その結果、独自開発システムが減ってパッケージが増える傾向にあり、また、ASP/SaaS利用が極めて少数かつ減少傾向にあることが分かった。

     導入背景については、導入済みの主要な製品/サービスのパッケージの場合の3つの運用形態を下のグラフに抜粋した。同じパッケージでも「社内設置」「データセンター設置」「IaaS/ホスティング利用」となるにつれて「機能がニーズに合致している」の回答割合は低くなり、「開発元の保守/サポートが優れている」の回答割合は高くなっている。

     つまり、社内設置では導入のきっかけとして機能を重視するユーザー企業が多いのに対し、データセンター設置やIaaS/ホスティングでは保守/サポートを重視するユーザー企業が多いといった違いが見られる。


  • 年商50〜100億円では「精緻な原価管理」や「需要変動に基づく生産計画」の訴求が有効
  •  ユーザーが「現状で抱えている課題」や「今後持つべき機能や特徴」についても同様に集計しており、下のグラフには年商50億円以上〜100億円未満の中堅Lクラスにおける「原価管理に関連する項目」と「生産計画に関連する項目」に関する回答結果をまとめた。

     原価管理は「生産管理」において以前からニーズが高いが、その中でも「廃棄やロスの考慮」「予測やシミュレーション」が今後は重要であることがグラフから読み取れる。また、「個別生産と繰り返し生産の双方への対応」も引き続き重要であり、さらに「需要変動を反映した生産計画」の取り組みも重視されていることがわかる。

     当然ながら、こうしたニーズは年商規模によって少しずつ異なってくる。生産管理システムの訴求や拡販を図る上では、こうした年商規模によるニーズの違いを把握することが最初の一歩となってくる。


 調査は、「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」に向けて実施されたもので、日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業として2017年7月から8月にかけて実施され、有効回答件数は1300社。それによると、中堅・中小企業における生産管理システム市場では、年商別や運用形態別に少しずつ異なる機能ニーズを把握することが今後のシェア獲得のカギになるという。

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