モノのインターネット(IoT)をビジネスに活用する企業は着実に増加し、適用分野は多様化する傾向にあるようだ。市場規模は、2017年に約4850億円、2020年に1兆3800億円へと急成長する見込みだ。ITRがIoT投資の実態調査(8月実施)をはじめ、各種調査結果に基づいて分析している。
ITRでは、IoTの活用分野を28種に分類。各々の実施率と投資状況を調査している。その結果、モノのトラッキング(追跡)、工場生産の最適化、エネルギー消費の最適化をはじめとして、多岐にわたる分野への投資が進んでおり、導入企業の多くが効果を実感していることが明らかになった。
プリンシパル・アナリストの金谷敏尊氏は、「IoTは導入企業における投資意欲が非常に高く、既に業界や業態を問わず広範の分野で活用されている」とし、現在は業務効率の向上やコスト削減を目的とした導入ケースが多く見られるが、スキルや技術が成熟するにつれて、活用の目的が徐々にビジネスイノベーションへとシフトすると予想している。
IoT導入企業における分野ごとの実施率:全業界平均(出典:ITR)