富士通は、米国国立標準技術研究所(NIST)のセキュリティ対策基準「NIST SP800-171」への準拠をするアセスメント・コンサルティングサービスの提供を始めた。
NIST SP800-171は、NISTが2015年6月に発行した米国連邦政府機関外の組織および情報システムに対するセキュリティ対策基準。民間企業が取り扱う重要情報(Controlled Unclassified Information:CUI)のセキュリティ対策における技術要件だけでなく、非技術要件も含めて100項目強の要件を策定している。
近年、このNIST SP800-171への準拠を求める動きが米国で加速しており、例えば、米国防総省(DoD)では、DoDに防衛装備品などを納める全世界のサプライヤーに対して、2017年12月31日までにNIST SP800-171の定めるセキュリティ対策基準への対応を要請する米国防衛装備品調達に関する通達を発行している。今後は防衛関係だけでなく、他の業界にもNIST SP800-171へ準拠したセキュリティ対策が必要になると見込まれ、日本でも米国とのサプライチェーンなど、民間企業にNIST SP800-171のようなCUI保護技術体系を設ける動きが広がっていくとみられている。
しかし、NIST SP800-171の準拠には、その基準を満たすセキュリティ対策に多くのコストと運用負荷がかかると想定される。富士通は今回、富士通総研やデロイト トーマツ コンサルティングと連携し、顧客システムにおけるNIST SP800-171へのセキュリティ対応状況の可視化と対応策の策定を行うアセスメントコンサルティングサービスを開始した。これにより顧客企業は、NIST SP800-171のセキュリティ対策状況を迅速かつ低コストで把握することができるという。
また富士通は、「グローバルマネージドセキュリティサービス」で顧客システムのNIST SP800-171対策を支援する。2018年度までに「FUJITSU Cloud Service K5」でNIST SP800シリーズのセキュリティ対策基準に準拠し、堅牢で信頼性の高いクラウドサービスの提供を目指すとのこと。

NIST SP800-171対応ソリューションのイメージ
また今後、創設が議論されている日本政府のクラウド調達基準である日本版FedRAMPで求められる要件に対応するサービスを順次提供し、日本企業のグローバルでのビジネス展開だけでなく、日本のサプライチェーンにおいても安心・安全なセキュリティ対策を実現し、顧客を支援していくとしている。