Amazonの最高技術責任者(CTO)Werner Vogels氏は米国時間11月30日、米ラスベガスで開催された同社主催のイベント「AWS re:Invent」で、「Alexa for Business」を発表した。同氏はその発表の場で、今後テクノロジやデジタル技術へのアクセスは「人間中心」になっていき、人間にとって最も自然なコミュニケーション手段である音声の利用は、その入口になると語った。
Vogels氏は、外科医が手術中に機器に話しかけて操作したり、忙しい親がデバイスに向かって命令を叫んだりする未来像について語り、以前に比べて、そのような未来はそれほど遠いものではなくなっていると話した。
「鍵となる破壊的技術は音声だ」(Vogels氏)
現在のデジタルシステムを使えるのはデジタルに慣れたユーザーだけに限られており、一般ユーザー向けの新製品を開発する際に、どれだけ人間中心のアプローチを取れるかは企業次第だ、と同氏は言う。
Vogels氏は、誰もが使えるデジタルシステムを可能にするのは音声だと語った。
音声を利用することで、消費者レベルで大きな変化が起きる可能性があるテクノロジーの例に、ホームオートメーションがある。Amazonは2年前からすでに、「Amazon Echo」をスマートホームのハブとして位置づけていた。
しかしVogels氏は、人間中心の製品やツールを作るには、バックエンドシステムも変わらなくてはならず、音声を前提としたものになる必要があると述べている。
イベントでは、AWSが目指す人間中心の未来像を支えるいくつかの技術が発表された。「Alexa for Business」以外では、機械学習関連の機能が発表されている。
また、Vogels氏が語る人間中心の未来像にはサーバが登場しない。これを実現する技術として、「AWS Serverless Application Repository」が発表された。
「書かなければならないコードは、ビジネスロジックだけになる」とVogels氏は述べている。「このアーキテクチャにはサーバが存在しない。(中略)あるのは『DynamoDB』のようなサーバレスの機能だけだ」
AWS Serverless Application Repository(現在はプレビュー版)は、サーバレスアプリケーションの作成者や利用者向けに設計されたもので、アプリケーションの公開、発見、導入を支援する。このリポジトリを利用すると、ユーザーは簡単にサーバレスアプリケーションを発見し、AWSアカウントに導入できるようになる。また、作成したアプリケーションの公開も簡単にできるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。